素能町物語

平日の夕方【阿部家〜佐久來side〜】 ページ5

夕方になって舘世をバスの待ち合わせ場所に迎えに行ったらいつも一緒にいる翔太くんが居なかった。

舘世に聞いたら『めめと康ちゃんが幼稚園迎えに来たの』とちょっとだけ拗ねた表情で教えてくれた。

幼稚園で翔太くんと帰ってから遊ぶ約束してたみたいだけど家族で出かけしちゃったなら仕方ないよね。

「舘世、おやつ食べたらラウちゃんとこ遊びに行こうか？」

「行く！」

舘世を抱き上げてからスマホを取り出し辰美にメールすると『今ラウ昼寝してるから起きたらそっち行く』と返事が来たから取り敢えず家に帰っておやつにした。

30分位したらまだ寝起きポヤポヤ顔のラウちゃんを抱っこした辰美がやってきた。

「さーちゃん！」

私の顔を見て一気に覚醒して満面の笑みで手を伸ばしてくるラウちゃん。

めちゃくちゃ可愛い!!辰美の要素無くない？

「今失礼な事考えたでしょ」

私にラウちゃんを渡し、舘世を抱っこしながら辰美がジト目で見てきた。

それに対しては笑って誤魔化して、取り敢えずリビングで遊ぶ事にする。

「はい、ご飯ですよ〜」

舘世の大好きなキッチンセットでままごとが始まるとご飯に反応したラウちゃんがご飯を探し出したのを皆が笑ったり、舘世がラウちゃんに絵本を読んだりしているうちにいつの間にか大分時間が経っていた。

「ただいま〜」

「あ、お父さんだ！」

玄関から聞こえた声に舘世が駆け出しその後をトコトコとラウちゃんが追う。

「うわ、もうこんな時間!?」

「本当だ、気付かなかった〜」

そう言いながら私達も玄関に向えば片手に舘世、もう片手にラウちゃんを抱っこした亮平くんがいた。

「ラウもいたんだね〜」

「あべちゃ〜」

亮平くんの顔をペチペチと叩くラウちゃんを慌てて辰美が抱き上げる。

「阿部ちゃんごめんね！ラウ、人を叩いちゃめっだよ」

「ごめしゃ〜」

怒られて素直に謝るラウちゃんってお利口さんだね。

「じゃあまたね〜」

帰る辰美を見送ってから改めて亮平くんに向き合う。

「おかえりなさい、亮平くん」

「ただいま、佐久來と舘世」

おかえりのキスをしたら抱っこされた舘世は両手で目を隠してた。

もう、可愛いなぁと亮平くんと私で両側の頬にキスしたら舘世ははにかみながらも嬉しそうに笑っていた。



うん、うちのお姫様が１番可愛い♡

呼び方【パパ会〜照side〜】→←平日の昼【目黒家〜康side〜】

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