恋人はママちゃん【白】 (ページ46)

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ー【貴女 side】ページ46

どれ位寝たんだろう。

ゆっくりと意識が浮上して、額がひんやりしている事に気付いた。

「あ、目が覚めた？」

目を開ければすぐ側に２重マスクをしたラウールの顔があった。

「っ!?な、んで…」

飛び起きかけて途中で目が回り、布団に倒れ込む寸前にラウールの手で支えられゆっくり起こしてくれた。

「いきなり起きたらダメだよ！はい、取り敢えずこれ飲んで」

ペットボトルのスポーツ飲料にストローが挿してあり、それをラウールが口元に運んでくれた。

確かに喉が乾いていたしお言葉に甘えてスポーツ飲料を口にする。

「はぁ…」

半分位一気に飲んで一息付く。

「食欲はある？舘さんがお粥作ってくれたから食べる？それとも…」

「待って、何でラウールがいるの？」

疲れでの熱ならいいけど風邪とかだったら皆に移したくないから落ち着くまで近寄らないでってメールしたはずなのに。

「Aさんを看病しに来たんだよ」

ニッコリと笑いながら言うラウールに頭の痛さが増した気がした。

「看病とかいいから近寄らない…」

「無理、看病しないと俺が心配で死んじゃう」

首を振ってから潤んだような目で見つめてくるとか、君が私を殺す気なんじゃないのかな？

「それに俺若いし元気だから大丈夫！」

うん、若さアピールも結構私にダメージ来るのよ。

心の中でそうツッコミをしながら不意にふっかさんの「ラウールは頑固だから」の言葉を思い出していた。

多分私を看病するって決めたからには貫き通すんだろうな。

移らないか心配だけど体も言う事聞かないし、こうなったらその言葉に甘えよう。

「薬飲みたいし、お粥くれる？」

見上げながらお願いしたらラウールは少し顔を赤くした後、私が看病を許可した事に気付いたみたいで嬉しそうに頷いた。