恋人はママちゃん５【白】 (ページ15)

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ー【貴女 side】ページ15

クリスマス当日もやっぱり皆は仕事で、パーティーとかは出来ないんだけど流石に何もないのも寂しいからとケーキだけは作った。

『帰ってきたら皆で食べようね』

とラウールに写真付きで送ったら、タイミングが休憩と合ったのか直ぐに『楽しみにしてる』と返事が来た。

その答えに満足しながら、私は密かに皆を驚かせようと部屋の飾り付け等の準備をした。

『〜♪』

携帯がメール着信を告げたから確認すれば、ラウールからもう少ししたら帰宅するとの連絡だった。

私は飾り付けの後始末をすると急いで自室へ向かい、クリスマスの衣裳に着替える。

予めネットで購入したちょっと大きめなトナカイの着ぐるみを着て、リビングで皆が帰って来るのを待った。

暫くして玄関が騒がしくなったから出迎えに行けば、私の姿を認めた皆が固まっていた。

「お帰りなさい！…って外した？」

小首を傾げながら皆を見上げれば、真っ先に硬直を解いた康二くんがツッコんでくれた。

「いや、そこはサンタやないんかいっ」

「サンタは皆が雑誌で着てたからやるならトナカイかなって」

似合わない？と聞けばそんな事はないと皆口々に言ってくれた。

そんな中で私をじっと見ていたふっかさんがちょっと残念そうに口を開いた。

「ママちゃん、せっかくならセクシーなサンタでラウ悩殺しないと」

「こないだ一緒に見てたサイトにもあったやつ似合いそうだったのにね〜」

そう言って顔を見合わせるふっかさんとさっくんの頭上に大きな影が差した。