恋人はママちゃん５【白】 (ページ16)

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「Aさんに何させようとしてんの？」

「俺の彼女なの分かってる？」

ジト目になってる照さんと笑顔だけど目は笑っていないラウールに見下された２人は、まさに蛇に睨まれた蛙のようだった。

「さ、時間も勿体ないしケーキ食べる準備しようか」

そう言いながら阿部ちゃんが私の背中を押してキッチンへと向かおうとする。

「あ、でもふっかさん達…」

「気にしなくていいよ」

舘さんもそう言って私をキッチンへと促す。

「この時間にケーキか…食えっかな」

「そう言いながらしょっぴー夕食控えてたよね？」

「いや、マイペースな２人やな」

そして我関せずな感じで着いてくる翔太さんとめめくんに康二くんがツッコむのだった。

キッチンで準備をしている間にお説教(？)も終わり、皆でリビングに移動してケーキを食べる。

部屋の飾り付けに気付いた皆はクリスマスにしっかり雰囲気を味わえたと喜んでくれた。

「A、後で少しデートしない？」

喧騒の中こっそりラウールが誘ってくれたから私は素直に頷く。

「じゃあ片付け終わったらメールするから、私の部屋に来てくれる？」

「うん」

そんな約束をして、短い時間なりに皆でケーキを楽しんでその場はお開きになった。

舘さんと康二くんがトナカイな私を気にして片付けの手伝いを申し出てくれたけど、早く休んで欲しいから丁重にお断りして１人で手早く片付けた。

部屋に戻ってラウールへのプレゼントを取り出して、私はトナカイの着ぐるみを脱いでからラウールにメールをした。