5杯目 ページ18
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『やっほー、マスター。……あ、弔くんだ』
『……』
『え、ちょっと待って帰んないでよ弔くん、弔くんってばー。とーむーらーくーん』
『……下の名前で呼ぶな。馴れ馴れしい』
『え？んじゃあ死柄木くんの方がいい？』
『……俺名乗った覚えないんだけど』
『この1週間毎日話してるのに名前知らないっていうのも悲しいでしょ？』
『ねぇ、一緒にお喋りしようよ。私がここでカクテル1杯飲む間だけでいいからさ』
『私、君と仲良くなりたいんだ』
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「……ん、」
重たい瞼を無理やり開くと視界に映ったのはアジトの天井と照明。
どうやら、黒霧が”客”を連れてくるのを待っていたらいつの間にか寝てたらしい。
じゃあ、さっきまでのは夢か。
あれは確か、Aと初めて会って1週間経ったかどうかぐらいの時の記憶。
まだまともに話したこともない時の。
──かれこれもう3週間ぐらいだ。
初めは関わる気なんて1ミリもなかったのに、今となっては普通に会話を交わすような仲。
首元を掻きむしりながら聞いてた一方的な話も、グラス片手に軽口を叩きながら聞くようになった。
それほど、Aとの時間が心地よくなった。
3週間での自分の心境の変化に驚きだぜ、全く。
『私、君と仲良くなりたいんだ』
「仲良く、か」
……今思い返してみれば、あいつの距離の詰め方がおかしい気がする。話したこともないやつにあんなに話しかけるか？普通。俺が普通じゃないだけ？
いや、まぁ、普通だったら敵なんてやってないか。
……いやいや、これに敵もヒーローもねぇだろ、バカかよ俺。
1人で馬鹿みたいに考えていると、アジトの入口辺りに黒い渦が現れ、聞きなれた声が響いた。
「──お連れしましたよ、死柄木弔」
……まずは目先の問題についてだ。
黒霧が連れてきたというお客サマの接客をしないとな。
テーブルの上に置かれたマスクを身につけて入口の方に突っ立ってる”客”に顔を向けた。
赤いボロボロのマフラーと背中に刺さった2本の刀が嫌に目を引くそいつ。ヒーロー殺し、ステイン。
「……お前がヒーロー殺し？」
……今日も来るといいなぁ、A。
今目先のことに集中しようとしたばかりなのにヒーロー殺しを前にしてふとそんな思いが頭をかすめる。
──あぁ、そうだ。黒霧。お前の目、腐ってなかったよ。
いつから俺はあいつと話すのを楽しみにするようになったんだろう。
ソファから腰を上げてカウンターの方に移動する。
「ちょっと頼みたいことがあるんだけど、さ」
まぁ、昨日あんだけ飲んでたし、望み薄かな。
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りんご同盟 - あっ…好きぃ (11月20日 23時) (
レス) @page35 id: ed24fa5325 (このIDを非表示/違反報告)
星宮暦(プロフ) - わぁ〜！神作見つけてしまった…更新頑張って下さい！応援してます！ (8月22日 0時) (レス) @page25 id: b26f71cce5 (このIDを非表示/違反報告)
11才のバカ - これは追うしかないっしょ！おもろ〜！好みドストライク。桜もちさに更新ガンバってください！ひそかに見学！ (2023年5月9日 0時) (レス) @page17 id: 470dc29d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜もち | 作成日時：2023年3月30日 7時
