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「……馬鹿なこと言うなよ、ザル女」
「ザルって、私そこまで飲んでないと思うんだけどな」
動揺したのもその一瞬だけ、ジト目でAを睨みつけながら俺は言う。
ザル女なんてひどーい、と今はすぐ右隣にいるこいつは軽く文句を言いながら元いた席の前にあったグラスに手を伸ばす。
三角形のグラスの中にはもうほとんどカクテルが入っていなかった。
だがしかし、グラスを手に持ったもののAはそれに口をつけるどころか視界にも入れず、かわりに俺に視線をよこした。
「……ね、ちょっと考えたでしょ？」
「考えてないし。ウザイ、しつこい。」
「えー？」
揶揄うようににやにやと笑う隣の女に俺は軽く苛立ちを覚える。
……なんだよ、人の事ばっかからかいやがって。しかもやられっぱなしとか気に入らん。
ああ、そうだ。そんなにとって欲しいなら取ってやるよ。
さっきまで嫌だ嫌だ言ってたのにという文句は受け付けない。
Aがチョコレートに意識を向けている間に俺はお父さんをとってカウンターの上に置くとAに言う。
「……お前さ、前も思ったけど俺以外にもこんなことしてんのか？」
「なになに、死柄木くん。もしかしてドキドキしちゃ、わっ……」
こいつがふざけたことを言い終わる前に俺はぐい、とAの左手を掴んでこっちに引きよせる。
バランスを崩して倒れかかってきたところを正面から受け止めてやればほぼゼロ距離で顔を見合わせて、目を細めながら言った。
「それって、何されても文句ないってことだよなぁ？」
「〜ッ！？」
初めて見るであろう俺の顔を、Aは顔を真っ赤にしながら目を見開いて凝視する。
どうだ、念願の俺の素顔。満足かよ。
きっとそんなこと考えてる暇なんてないんだろうな、とこいつの反応に少しだけいい気分になり、さらに耳元で低く囁いた。
「なぁ、A」
こいつ、いっつも俺のことはからかう癖に自分がこういうことされるのは慣れてないのか。
息を飲む音が聞こえ、Aは俺の肩を掴んで距離を取ろうと押し返した。
背中に回していた手を、五指が触れないよう解くとAは離れていく。
顔は俯いているものの、耳が若干赤くなっていたのが見えた。
「ふは、仕返し。」
「し、心臓に悪いからやめてくれないかなぁ」
「なに、もしかしてドキドキした？」
相変わらず顔は俯いており、どんな顔をしているかは見えない。だが明らかに動揺しているのはわかった。
心臓に悪いからやめろと言われれば、先程言われかけた言葉をそのまま返してやった。
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りんご同盟 - あっ…好きぃ (11月20日 23時) (
レス) @page35 id: ed24fa5325 (このIDを非表示/違反報告)
星宮暦(プロフ) - わぁ〜！神作見つけてしまった…更新頑張って下さい！応援してます！ (8月22日 0時) (レス) @page25 id: b26f71cce5 (このIDを非表示/違反報告)
11才のバカ - これは追うしかないっしょ！おもろ〜！好みドストライク。桜もちさに更新ガンバってください！ひそかに見学！ (2023年5月9日 0時) (レス) @page17 id: 470dc29d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜もち | 作成日時：2023年3月30日 7時
