お姫様は関西Jr.でした。6

□不安 ページ40

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なにかをされるわけじゃない。ただずーっと見られてる気配はある。こう言う類は多分男の人。



何もされんから、こっちも何もできんくて見られてることがストレスでイライラする。




福本「ももー！こいつやばいねん！！」

小島「ちょ、お前はなんでもかんでも告げ口すな」

福本「まじさぁ！」

「たいせー、うるさい」

福本「えー？なんでやねん！テンション低ない？」




普通のいつも通りの絡みさえ笑えんくて、多分大晴もそれに気付いてて、でも何も言わんでくれてる。


ももから言うの待ってるんやろなぁ、って分かってるんやけど、もし今のストーカーが前に写真を送ってきた人と一緒やったら。そんなん言えるわけないやんな。




「昨日寝るん遅くて眠たいねん」

福本「そ？ほな、ちょっと寝とき」

「ん。れんれんの方おる」

福本「おう」




ももはどうすればええんやろうか。ずっとずっと考えても分からんくて、怖くて、でもそれも仕方ない。だってアイドルやから。



みんな乗り越えて、戦ってることやもん。





高橋「もも」

「大丈夫やから」




結局恭平は誰にも言わないでいてくれてる。ありがたいけど、時々こうやって眉を下げた顔をして見つめられるから大丈夫としか言えんくて困ってしまう。




高橋「なぁ、やっぱり」

「ええから！」

高橋「朝ごはん食った？」

「…食べた」

高橋「これ食べとき」




差し出されたゼリー飲料に少しだけ泣きそうになった。


それは恭平の優しさになのか、支えてもらえる安心感になのか、何かが限界なのか。何も考えたくない。





高橋「寝るんやろ。これかけとき」

「ありがと」




パサっとかけられたパーカーからは恭平の香水の匂いがして、久しぶりにゆっくり寝られる気がした。




その光景を大晴が見てたことに気付いてたのに、何も言えない自分を誤魔化すみたいに目を閉じた。




結局一睡も出来なかった。





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