お姫様は関西Jr.でした。6

■秘密のデート(正門side) ページ26

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「準備はいいですか？」

「いつでもいいですよ？お嬢様」

「んふふ、よしくんカッコいい〜〜！」



あかん、この子隠れる気あるんかな。せっかくこんながっつり変装したのに。



今日はお嬢様のワガママでユニバに来てまーす。夏休み行きたかったなーってボヤいてたから、車出しましょか？って言うたら一発やったわ。


で、どうせならガチでバレずに楽しみたいってことで、この変装に至りました。




「女の子の化粧って怖いな」

「んふふ、よしくんもすごいよー」



カラコン、ウィッグ、化粧の仕方、それだけでこんなに変わるとは。ぱっと見やと気付かんと思う。


まぁそんな俺もウィッグとキャップとサングラスしてるんやけどな。




「きゃーー！ホグズミート！！」

「お、1時間待ちですよ！ハリポタ乗ります？」

「乗る」

「はーい」



ハリポタ大好きなAちゃんはしばらくここで過ごせるらしい。列が進むたびにこの部屋は、あの額縁はって解説してくれて、子どもみたいな姿が可愛いなぁって。


Aちゃんのキャーキャーしてる姿を見てたらあっと言う間に順番がやってきて、やっぱりユニバの時間表示は詐欺やってふたりで笑いあった。



「ふぅー、次どうしよ！」

「ふふ、Aちゃん、ちょっと落ち着いて？なんか食べません？朝食べてないでしょ？」

「もー、よしくんほんま紳士！好き！」

「はいはい、好きの安売りしません。カート行きますよー」

「うん！チュロス食べたいー！」




ほんまこの人いつも以上に落ち着きがない。



すーぐうろちょろするし。いや、あなた肉まんの列に並ぼうとしてますけど、チュロスちゃうんかい！でも、嬉しそうにこれこれ！って指差してるからええか。


あれ、俺Aちゃんにめっちゃ甘なってない？




「こんな甘やかす予定ちゃうねんけど」

「ん？よしくんなんか言うたー？」

「んーん。チュロスはええんですか？」

「後で！」

「そ？」

「うん！ね、この後ミニオン行こ！」

「ミニオン2時間待ちですよ」

「うん！乗らんけど、ショー？見たい！」

「ふふ、ちびっ子に混ざって見るんですか？」

「そこはちびっ子にも譲らんから！」

「はは！それは譲って！」



携帯とマップとを交互に見ながら順番を考えてるAちゃん。それを覗き込む俺。周りから見たらカップルに見えてるやろうか。見えてたらええなぁ。


今日はいろんなことを忘れて、Aちゃんが楽しく息抜き出来ますように。



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