お姫様は関西Jr.でした。6

□目撃 ページ16

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福井「なぁー、なんでっすかぁ」

A「ふふ、何がよ」

福井「もう隠せてないしええやないですか」

A「それは宏志朗が伝言板コーナーでバラしたようなもんやし」

福井「えぇ、怒ってる？」

A「怒ってる」

福井「………」

A「ファンの子にはバレたらあかんってずっと言って来たやん」





俺は何を見てしまってるんやろう。そんな話を廊下で堂々としないで頂きたい。


そして、俺の横にいるももは気まずそうに視線を泳がせていた。


要約すればこうやろう。福井くんがあの副看守長への一言コーナーでAちゃんへの好意をダダ漏れにさせた。その上開き直っている。福井くんを守りたかった？Aちゃんはそれに怒っていると。




福井「やって俺やって丈くんたちみたいにAさんと外でデートしたい」

「おうちデートじゃ不満？」

福井「違うけどぉ、」




待って福井くんバリめんどい彼氏感やばない？！


Aちゃんの前ではあんな感じなんやぁ。新鮮。チラッとももの顔を見れば、何回も瞬きしてて、多分こいつもこんな福井くんの姿は初めて見るんやろなぁ。





福本「行こ」

「ん」




とりあえずばれへんようにその場をソッと離れる。


なんかこう、あれやん。家族の秘密を覗き見してしまったみたいな。えぇ、でもなんかニヤニヤしてまうなぁ！！




福本「福井くんやばない」

「なんか意外やなぁ」

福本「うわーめっちゃ話聞きたい」

「ふふ、ぜーったい大晴には話さんで？」

福本「えぇー、そうかなぁ」

「多分誰にも話さんやろ」

福本「ミステリアス！！」

「あーもう、もものイメージの宏志朗くんがどんどん消えていく！」

福本「はは、怒んなって。お前は福井くんのハードル上げすぎやねん。男なんてみんなアホやって」

「大晴と一緒にせんといて！」




なーんかこいつはプリプリしてるけど、本気で怒ってないあたりほんまに福井くんのこと吹っ切れたんやなぁって、俺はニヤニヤしてしまう。



俺らも大人になったなぁ、なんて。




「あぁもう！男ってみんなアホ！」

福本「結局やん！」

「うっさい！」




いや、こんな叩き合って笑ってるとかまだまだ子どもか。


後でふたりで福井くんのことからかってやろーっと。いやでもそれはガチで怒られるかな。やっぱりやめよ。



福本「何も見んかったことにしよ」

「りょーかい」



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