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「俺のシマで何してんだって聞いてんだよ。」
低くて太い、挑みかかるような声で男達に問いただす彼に
何故か私の背筋が凍った。
「す、すいやせん…こ、これは…」
「お、俺達ただ飯を食わしてやってただけっす。」
「女が腹減ってたみたいなんで…いや、これまじっす。」
まぁこの人達が言ってることに嘘はない。
食べさせてもらったのは事実だし。
「へぇ…だったらさっさと散れ。」
そう言うと掴んでいた私の腕を素直に離し、
一目散にこの場から立ち去って行った。
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さっきまで体が強ばってたせいか
男達が去った瞬間、全身の力が抜けて
地面に座り込んで安堵する。
「…大丈夫？」
私に近寄り、サングラスを外して
手を差し伸べる彼。
黒髪のサラサラストレートヘアから見える2つのゴールドピアスがキラキラしてて
何か影を秘めてるような、ポーカーフェイス
あまりの端正な顔立ちに固まってしまった。
「きみ、本当に大丈夫？」
彼の問い掛けにうんともすんとも言わない私を心配そうにまた問い掛けてきて、
あ「だっ、大丈夫。助けてくれてありがとう。」
ハッとしてやっと我に引き戻された。
「夜のこの辺は危ねぇから君みたいなお嬢様は狙われやすいから早く帰った方がいい。」
あ「帰る場所…ない。」
ていうか帰り方分かんないし
あんな家…二度と帰りたくない。
顔を俯かせ、弱々しい声で言うと
何か察したのか彼は
「…だったら俺んとこ来る？」
突拍子もない事を言ってきた。
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作者名：rion
| 作成日時：2018年9月7日 10時
