【ときメモＧＳ３】教会と、サクラソウの約束。

彼女専属ヒーロー ページ4

- 桜井琉夏

*



廊下の掲示板に打ち出された、新聞部の恒例『恋人にしたいコ ランキング』。
琉夏は前のめりになりながら、掲示物をじぃーーーっと穴も開くほど凝視する。


一位には幼馴染のAの名前があった。


確かに彼女は可愛いし、気が利くし、頭もいい。運動も得意な方だ。ほとんど完璧なので選考を行った部員の目は確かだろう。……しかし。……Aは俺のものである！
だから許されない。彼女の名前が学校に知られてしまっては、悪い虫がついてしまう。

目を血走らせながら、新聞部の部室の扉をノックもせずに殴りこんだ。
……と、



「だから困るよっ！勝手にランク付けされて、張り出されちゃうんだもん！」
「バンビ、これも星の導き。 仕方のないことだと思って受け止めれば、きっといい方向に…」



頬を膨らませながらかわいく抗議するマイプリンセス(と、ミヨちゃん)がすぐそこに居た。



「そうだよそこの眼鏡かけた部長さん、俺もちょっとヤだなぁ。Aが皆のものになっちゃうなんて」
「…っ！桜井弟！ じゃ、じゃあバンビ、頑張ってね」



俺が隣の椅子に腰かけるや否や、ウサギの如く逃げてしまったミヨちゃん。

Aもいきなりの乱入にさぞかし驚いたようで、目を丸くさせている。あー、かーわいい。



「で、でもですね……圧倒的に小波さんが一番なのは…」
「やめてくれるよね？ あーいう格付けでAのこと広めるの」



すこーし睨んだだけで、部長さんは首まで真っ白にして回収にひとっ走り。
一件落着、と。




「A、俺にお礼のちゅーは？」
「ちゅーはダメだよルカくん。お弁当、作ってくるね」

「わーい！」




Aの日々の安息は俺が守ってるっていっても過言じゃないでしょ！

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