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いつかのロマンスは予定済み ページ2

- 不二山嵐


*


「不二山くん、腰回り凝ってるね」
「ん、あぁ、最近俺、予習してんだよ。それで長い時間椅子に座ってたんが原因かもな」
「……予習?」


男らしい固い腰を掌で圧しながら、私は、彼の口から出る言葉にしては知的する単語をそっくりそのまま聞き返した。不二山くんの目を閉じた横顔は安らかで、冗談を言っている様子ではなさそうだ。Aは一人、目をパチクリさせる。


「予習っつても、勉強じゃねぇ」
「違うの?」

「違ぇよ、数字見るだけで頭クラクラしてくる俺には無理だ」


カラカラとひとしきり笑った嵐さんは、不適な視線をこちらに投げる。
「マッサージはそれくらいで良い」と大きな体を持ち上げて、胡坐をかいた。



「お前とこうやって話す予習」



綺麗な指が私の顔を指さしている。こてんと首を傾げる私。



「不二山君、えっと……柔道の事に関してとか?」
「まぁ、それもあるな。でも、それ以外もある」



どういう意味なんだろう。私が不二山くんの目を見れば、負けじと彼は見つめ返してくる。
黒々とした眼で、恐れも穢れもない、綺麗な瞳で。



「お前見てると、息が詰まる。なんか、胸ん中いてぇし」



不二山くんは心臓の辺りをぎゅっと握りしめ、眉を寄せた。



「俺、緊張してんだなって思って。それで、予習してた。 お前と話したいこととか」
「ふ、不二山くん……」

「なんだ?」



それって、その……


私は途中で口を噤んだ。



「私も、不二山くん見てると、苦しいけど、嬉しくなるよ」



精一杯の笑顔で代わりに言う。
不二山くん、まだ、ダメだよね。きっと。




「そっか、お前もそう思ってたんか」




不二山くんは、なんだかとても嬉しそうに私の頭を撫でた。大きな手が心地いい。
心が暖かい。




「不二山くん」
「なんだ?」


「いつか、聞かせてね」





貴方の答えを、いつか。




*

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はちか(プロフ) - 七緒さん» はじめまして!コメント有難うございます(;_;)!!あたたかいお言葉、身に染みます! (2015年8月21日 2時) (レス) id: f9886030ad (このIDを非表示/違反報告)
七緒(プロフ) - すんごい面白いです!!これからも頑張ってください!!応援してます! (2015年8月19日 21時) (レス) id: f23e142abd (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - じゃあ、ボード作って待ってます!ありがとうございますっ! (2015年7月31日 22時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - さけられるチーズさん» 返信遅くなってごめんなさい!ぜひぜひお話しましょう〜!! (2015年7月31日 22時) (レス) id: f9886030ad (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - はちかさん» 周りにときメモ好きな人いなくて辛かったんです…( ;´Д`) 断っていただいても良いので、もしよろしければ私のボードでお話ししませんか? (2015年7月29日 7時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちか | 作成日時:2014年11月19日 1時

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