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土井side
『は、半助さんっ……』
返事なんてしない。
強く手を握って、とにかく走る。
『早いですっ……』
少し待ってと、息の上がったAさんが言った。
無理のないような速度でと思っていたけれど、
自分でも加減できないくらいだったようだ。
土井「……待ちません、だから」
『え？……わわっ』
Aさんを持ち上げ、横抱きにした。
土井「だから、こうします」
『そ、そんなっ……』
これでスピードが出せる。
土井「しっかり掴まっててくださいね」
Aさんは頷き、私の首に腕を回した。
目的地は、Aさんの店。
ガラリと板戸を開け、乱暴に閉めた。
土井「すみません、突然」
『いえっ、私……』
少し屈んで、Aさんを降ろした。
首に回されていた腕は解かれ、足が着地する。
やっと顔が見れたと思ったら、
その顔は先程と同じままで
赤く染まり、今にも泣き出しそう。
あぁ、もう。
そんな顔しないで。
『……あっ、』
我慢なんて、できるわけがなくて。
Aさんを、強く強く抱きしめた。
『は、半助さ……』
土井「言ったでしょう？
私の幸せは……私の恋は、
Aさんがいないと叶いません」
伝えたい。
貴女に、伝えたい。
土井「好きです、好きです。Aさん……」
◆◇
『す、き……？』
土井「……そうです。
私は、Aさんのことが好きです」
ゆっくりと身体を離し、
私を見上げるAさんの頬に手を添えると
『っ……うそ……』
ついにAさんの目から、ぼろぼろと涙が溢れた。
土井「本当です。
初めてAさんに会った日からずっと……
それなのに、言えずにいてごめんなさい」
そう言って、頬を伝う涙を指で拭う。
笑った顔も怒った顔も
そして泣いてる顔も、この涙も。
全部全部、私のものになってほしい……
『……私、変なの。
半助さんのことが、頭から離れないの』
溢れる涙は、私の手までも濡らして。
土井「変じゃないですよ。私だっていつも、
Aさんのことで頭がいっぱいですから」
だから、だから。
土井「私の幸せを、私の恋を。
Aさんが叶えてくれませんか？」
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はな(プロフ) - 舞美さん» 舞美さん、初めまして！読んでくださって、ありがとうございます！！そう言ってもらえて感激です…だいぶキャラ崩れしていると思うんですが、お許しください。これからも更新頑張ります！コメントありがとうございます:) (2021年5月4日 23時) (
レス) id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
舞美(プロフ) - はなさんの作品大好きです｡土井先生といい利吉さんといい、、私徳でございます、、。これからも応援してます！ (2021年5月3日 21時) (レス) id: 762e6989c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな
| 作成日時：2021年4月18日 15時
