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土井side
Aさんと約束した帰る時間。
『お待たせしました』
そう言って現れたAさんは、
やっぱりよそよそしい。
会わないたった一日の間に、何かあったというのか。私は少しずつ、不安に駆られていく。
土井「いえ、留三郎とは話せましたか？」
『はい。ありがとうございます』
何を話していたんだろう。
そんなことばかり、頭を巡る。
土井「……じゃぁ、行きましょうか」
『宜しくお願いします』
朝と同じように、少し私の後ろを歩くAさん。
笑顔がかたいのもわかる。
よそよそしい態度もわかる。
触れると交わしたり、距離を取られたり。
これじゃぁ、自分の気持ちを伝えるどころではない。
土井「……Aさん」
『は、はい？』
面と向かって、目をじっと見て。
土井「私のこと、避けてるんですか？」
◆◇
思い切ってそう聞いてみると、
Aさんは明らかに動揺し出した。
『いえ、あの……それは
あんまり近付くと……あの……困ると言うか……』
土井「どうして困るんです」
避けられている私の方が、困っていると言うのに。
するとAさんは、はぁ、と息を吐いてから
その重そうな口を開いた。
『半助さんには振り向いて欲しい方が……
大切な人が、いるのに……
こんな気持ちを持っているせいで、
どう接したら良いのか……』
……こんな、気持ち？
どう接したら良いか？
『それに私、半助さんの過去にも嫉妬して……
恋が叶わないでほしいなんて……』
じゃり、と足元の砂が鳴る。
小袖の胸元をぎゅっと握りしめて
その顔は赤く染まり、今にも泣き出しそうだ。
……いや、いやいや。
待ってくれ。
土井「待って、待ってください。
それって……」
落ち込んでいた気持ちが、少しの望みを掛けて。
『す、好きなんです……
ごめんなさい、ごめんなさい。
半助さんが、好きなの……』
どくりと胸が鳴り、
Aさんの手を引いて、走り出していた。
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はな(プロフ) - 舞美さん» 舞美さん、初めまして！読んでくださって、ありがとうございます！！そう言ってもらえて感激です…だいぶキャラ崩れしていると思うんですが、お許しください。これからも更新頑張ります！コメントありがとうございます:) (2021年5月4日 23時) (
レス) id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
舞美(プロフ) - はなさんの作品大好きです｡土井先生といい利吉さんといい、、私徳でございます、、。これからも応援してます！ (2021年5月3日 21時) (レス) id: 762e6989c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな
| 作成日時：2021年4月18日 15時
