【忍たま】利吉さんはいじわるだ。【山田利吉】 (ページ44)

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you side

伊作「Aさん、助かります」

今日は校医の新野先生と
保健委員会保健委員長の六年生、善法寺伊作くんの
お手伝いで、薬草園に来ている。

『ううん、私も勉強になります』

医務室の常備薬を作るために、
材料となる薬草を採りにきた。

新野「ではAさん、お願いします」

頼まれた物の他に、自分の分も採取する。

私には医学の知識がまるでない。
図書室や保健室にある医学の本を借りてきて読んだのだけど、実は作りたいものがある。

利吉さんに、傷薬を作りたい。

先日一緒に出掛けた時のお礼と、
色々と迷惑を掛けてしまったお詫びに。

そしていつも仕事で忙しくしているから、
怪我などしないようにご無事を願って。

新野先生に作り方を聞いてみると、
一緒に作りましょうと言って下さったので、
是非お願いする事にした。

『たくさん採れましたね』

伊作「はい、これだけあれば
　結構な常備薬が作れますよ」

新野「では戻って少し休憩してからにしましょう」

医務室に戻ると手を洗って、
私はお茶を淹れるために簡易調理場へ向かった。

『あ、怪我してる…』

ピリピリすると思えば、
手の甲にいくつかの切り傷がある。
きっと硬い葉や棘なんかで傷付いたんだろう。

そのうち治るか……私は傷をそのままに、
お茶を淹れて医務室へ戻った。