【忍たま】利吉さんはいじわるだ。【山田利吉】 (ページ5)

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you side

びしょびしょの彼に腕を掴まれたまま学園に戻ると、小松田くんが駆け寄ってきた。

小松田「Aさん、お帰りなさーい。
　って、利吉さんじゃないですかぁ！
　こんにちは！」

そう言いながら入門票を、り、りきちさん？に渡した。

利吉「あぁ、こんにちは。小松田くん」

小松田「なんでそんなにびしょ濡れなんですか？」

利吉「あぁ、ちょっとね」

利吉さんという彼は、濡れた前髪をうっとおしそうにかきあげた。………かっこいいと思ったのは内緒。

『そっそう！私すぐに拭く物を持ってきますから！』

利吉「すぐ乾くよ、これくらい」

そういうわけにもいきません、と私は自室へ走ったのだった。

『本当にごめんなさい』

大きめの手拭いを彼に被せて、教員長屋の縁側に座って頂いている。気温も高いので、すでに髪は乾き、
そろそろ服も乾きそうだ。

利吉「いや、こちらこそありがとう」

『り、利吉さんは、学園に用があったんですね』

利吉「あぁ、教員の山田に用があってね。」

『山田先生に？』

利吉「私の父上なんだ」

そうなんだ！そういえばどことなく似てる気がする。目元とか。

利吉「そういえば、私の名まえ」

『あ、さっき小松田くんが呼んでいたので…
　すみません勝手に』

気を悪くしただろうか。

利吉「いいさ。
　じゃぁ私もAって呼ばせてもらおうかな」

『あ、はい』

何とでも。