【忍たま】利吉さんはいじわるだ。【山田利吉】 (ページ35)

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you side

忍術学園と町までのちょうど間に、
噂の甘味処があるらしい。
私は今、お目当ての餡蜜を目の前に
ワクワクが止まらない。

利吉「食べないのか？」

『いえ、ちょっとこのキラキラした寒天と
　ツヤツヤした餡子を目で堪能しています』

利吉「あぁそう」

利吉さんはパクパクと食べている。

よし、それでは私も食べよう。

そうそう、今日は気を付けている事がある。
餡蜜を口に付けないように食べなくちゃ。
また利吉さんにからかわれるのは恥ずかしい。

『ん！美味しい』

利吉「だろう？気に入ると思った」

『とっても。通いたいくらい』

少しずつゆっくり口に運んでいると、
利吉さんがクスクス笑っているのに気付いた。

利吉「……A、口に付かないように
　気を付けてるんだろ」

『……！だって、だって利吉さんがからかうから
　恥ずかしいでしょ』

利吉「べつに付いてたって、私が取ってあげるのに」

ポロ。と、さじから寒天が落ちる。

それが恥ずかしいって言ってるのに。
結局もういいやと、いつもの勢いで食べた。

勘定を済ませた私たちは、
買い物をしようと町に向かうことにした。

町はとても賑わっていてる。
私はお遣いのために来る事が多いから、
あまり自分の買い物のために来た事がない。
餡蜜みたいにワクワクする。

利吉「好きな店を見るといいよ」

『わぁ、ありがとうございます』

利吉さんはそんな私の様子に気付いたのか、
買い物に付き合ってくれるらしい。

嬉しい、何処から見ようかな。