【忍たま】利吉さんはいじわるだ。【山田利吉】 (ページ29)

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you side

『北石さん、是非お礼をさせてください』

そう言うと、

北石「そんな、いいのいいの！
　本当に無事でよかった」

北石さんは笑顔で答えてくれた。

北石「そういえば、ひとりで町まで来たの？」

『いえ、ひとりでは……って、あ！！』

北石さんに言われて気付いたのは小松田くんの存在。しかも今目の前を歩いている。

『ちょ、ちょっと！小松田くん！』

小松田「あ、Aさんいたいたー。
　何処に行ってたんですか？」

小松田くんは私に気付くと、呑気に駆け寄ってくる。

『それは私のセリフ！何処に行ってたの？』

「えへへ、実はすぐそこに扇子屋があったんです。
　実家が扇子屋なので、気になっちゃいまして」

素敵な扇子いっぱいありましたよ、と満足そうな顔。そ、それは良かったけれど。

北石「小松田くんと来てたのね。
　ちょっと小松田くん、一緒に出掛けるなら
　ちゃんと守らないと駄目じゃない」

北石さんが先程あった事を話せば、
小松田くんはとっても焦った様子で、

小松田「ごっごめんなさいAさん！
　そんな怖い目に会っていたなんて！」

『ううん、大丈夫…北石さんが助けてくれたから。
　でも私たちも、はぐれないようにしようね』

小松田「はい！北石さん、ありがとうございました！
　帰りはぼくがAさんをお守りします！」

ではこれで！と帰り道と真逆に歩き始める小松田くんを、慌てて捕まえた。

『北石さんはこれからどちらへ？』

北石「少し用事でね。
　じゃぁそろそろ行こうかな、またね」

『えぇ、また。私たちも帰ろう』

私たちも忍術学園へと。

北石さん、本当すごいなぁ。

私なんかとは大違いで、強くて綺麗だ。