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利吉side




土井「うわぁどうしたの、利吉くん」




途方に暮れた私は、
身体を引きずるように土井先生の部屋にやってきた。


ちなみに父上は不在のようだ。



私の顔を見て、土井先生は驚いている。

それもそのはず……って
自分の顔を見たわけではないけれど、
どんな顔だなんて想像がつくから。




土井「まるで、」



利吉「生気がないですか」



土井「そうそう、ひどいよ」



利吉「土井先生よりは格好良いですよ」




もう知らね、と言われそうになったので
ごめんなさいと必死にしがみついた。




土井「ったくもう。……それで?」



利吉「えぇ、実は」




私は先程のAさんとのやりとりを
包み隠さず話した。




土井「嫌いって言われたんだ?
  嫌いって。ね、嫌いってね」



利吉「何度も言わないでください」




傷をえぐりにきてるな……土井先生。

Aさんの"きらい"と言う言葉が、こんなに苦しい。
思い出すだけで、のたうち回るくらい苦しい。




土井「……本当にそう言いたかったのかな」



利吉「え、」




本当にも何も、彼女の口がそう発したのだ。




利吉「嫌いじゃなかったら言わないでしょう」



土井「どうだろうね。でも言ったろう?
  Aさんは非常に傷付きやすく繊細だって。
  それに、今の君には向き合う資格すらないって」




わかった風なことを……と
言い返したいところだけれど、
正論だから何も言えない。




土井「とにかく彼女を追いかける前に、自分のこと!」



利吉「った!」




ぴん!と額を指で弾かれた。




◆◇




夜は気温も落ち着いて……むしろ、
ひんやりと感じるくらいだ。


そんなことをじっくり感じている暇はない。
なぜって、仕事の真っ最中。



とある城に忍び込み、依頼を淡々と片付ける。




利吉「忍務完了、っと」




屋根瓦の上に音も無く飛び乗ったすぐそこに、




利吉「……!!」



『っ……!!』




どうやら驚いて動けなくなったらしいAさんが
立っているじゃないか。




『な、なんで』



利吉「運命ですね」



『違います』

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設定タグ:忍たま , 山田利吉 , RKRN   
作品ジャンル:恋愛
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はな(プロフ) - でん太郎さん» お返事遅くなりました!利吉さんどんどん変になっていきますどうしよう笑"大好きだなんて!ありがとうございます!とっても嬉しいです!のろのろ更新ですが頑張りますね。コメントありがとうございます❤️ (2022年7月31日 9時) (レス) @page42 id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
でん太郎(プロフ) - 利吉さんがギャグ枠になってるのがツボすぎて、大好きです…😭ここで他の作品のことをお伝えするのもアレかとは思いますが、全作品、構成も夢主も、文章もとても大好きです、これからもずっと応援しています🙇‍♀️ (2022年7月13日 22時) (レス) @page9 id: 1487e65024 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 青野ゆあんさん» ありがとうございます!ちょっと変わった利吉さんに挑戦です〜更新頑張りますので、引き続き読んで貰えたら嬉しいです。コメントありがとうございます! (2021年12月25日 22時) (レス) @page12 id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
青野ゆあん(プロフ) - 好き,,,めっちゃ好き,,, (2021年12月19日 23時) (レス) @page4 id: a96dc153b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2021年12月19日 1時

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