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利吉side
この私、山田利吉。
フリーのプロ忍者をしているわけだが。
いくら売れっ子売れっ子と言われようが、
まだまだ修行の身であるし、
まだまだ父上や凄腕の忍者はたくさんいるのだ。
決して、過信してはいけない。
それはそうなのだが。
利吉「なぁ、Aさんの好きな人って知ってるか?」
北石「え、なにそれ。
そういう話、Aさん全然しないからなぁ……
あ、私じゃない?Aさんの好きな人っ」
北石の語尾にハートマークが透けて見えて気持ち悪い。
利吉「お前なわけないだろう。知らないなら良い」
北石「利吉さんなわけもないけどね。
何?Aさんの詮索しないでよ」
利吉「本気で好きなんだって言ったら満足か?」
すると北石は阿呆のように口を開け、
目を丸々とさせ、私を凝視した。
北石「……本気なの?
毎日毎日違う女の子連れてる利吉さんが?
あ、利平さんが?ふざけないで」
利吉「別に北石に理解してもらおうとは思っていない。
……じゃぁ私はもう行く」
北石「あっ!……もう!」
まだ私に何か文句を言いたかったらしいが、
私は路地から民家の屋根へと跳んだ。
◆◇
最近、Aさんと一緒にいられる機会が増えて、
舞い上がってしまっていた。
もしかしたら宣言した通り、
Aさんの頭の中は私でいっぱいになってくれるんじゃないかと思っていた。
だけど、違っていたらしい。
Aさんの好きな人、とは。
いつも違う女を連れているのは認める。
だけど、私は彼女たちの誘いに乗っているだけなのだ。
何の感情も持ち合わせていない。
私の初恋の相手は、Aさんだから。
Aさん以外、何もいらないのだから。
女「あっ、利平っ……!」
利吉「っ……」
ただ腰を振るばかりで、
決して女の名を呼ぶことはない。
覚えてないし興味もない。
知らない女と愛しい彼女を重ねて、抱いて、
心の中で彼女の名を何度も呼ぶのだ。
Aさん。
A、A。
本当の私は、
Aさんに愛を伝えることも、
この腕に抱くことも、臆してしまうのだから。
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はな(プロフ) - でん太郎さん» お返事遅くなりました!利吉さんどんどん変になっていきますどうしよう笑"大好きだなんて!ありがとうございます!とっても嬉しいです!のろのろ更新ですが頑張りますね。コメントありがとうございます❤️ (2022年7月31日 9時) (レス) @page42 id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
でん太郎(プロフ) - 利吉さんがギャグ枠になってるのがツボすぎて、大好きです…😭ここで他の作品のことをお伝えするのもアレかとは思いますが、全作品、構成も夢主も、文章もとても大好きです、これからもずっと応援しています🙇♀️ (2022年7月13日 22時) (レス) @page9 id: 1487e65024 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 青野ゆあんさん» ありがとうございます!ちょっと変わった利吉さんに挑戦です〜更新頑張りますので、引き続き読んで貰えたら嬉しいです。コメントありがとうございます! (2021年12月25日 22時) (レス) @page12 id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
青野ゆあん(プロフ) - 好き,,,めっちゃ好き,,, (2021年12月19日 23時) (レス) @page4 id: a96dc153b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2021年12月19日 1時