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土井side
『ごめんなさい』
Aはぺこりと頭を下げた。
申し訳なさそうな顔で俯くAに、
慌てて手を伸ばす。
だけど、Aの名まえすら呼べない私は
触れることができなくて。
そのまま手を引っ込めて、ぎゅっと握りしめた。
土井「ち、違うんだ……」
『………』
土井「怒ってなんかないし、
今はそれで良いっていうか……あの……あぁ」
『今は、って？』
土井「………」
『………』
しん……と無言の数秒。
あぁ……こんなときに気の利いた言葉が
出てこないんだ。
利吉くんみたいに、
乙女心をサラッと攫えるような言葉は出なくとも。
まさかズバリ、好きと伝える勇気はないし。
ぐるぐると必死で頭をフル回転させる。
土井「……私の家」
『へ？』
突然の意味不明なワードに、Aは頭を上げた。
やばいぞ。ちょっと、はぁ？って顔だ。
土井「……私の家は、その菓子屋の先にあって」
『……はい』
土井「もし、良かったら……家賃を払った後、
その菓子屋に……」
"代わりにお遣いに行ってくるよ"
そう言いかけて止まる。
自分で言っておきながら、何なんだ。
何か気の利いた言葉をと、
頭をフル回転させた結果がこれ……！
いやいや、これはおかしい。
何も気が利いていないし話ずれてるし。
Aの顔が見れず、思わず背を向けた。
絶対、はぁ？の顔だろうし……
『……一緒に行ってくれるの？』
土井「え！！！」
でっかい声と共に、
驚くほど素早く振り返った。
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梅こんぶ(プロフ) - こんばんは！そして新作おめでとうございます！私も土井先生も大好きでいつもはなさんの作る小説＆ドキドキ＆恋愛＆いろいろ楽しみにしていました☆後お気に入り登録しました無理せずに頑張ってください！ (2021年11月21日 1時) (
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作者名：はな
| 作成日時：2021年11月20日 23時
