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土井side



Aの部屋の前。




土井「あの、」



『山田先生、もういいんです!』




Aの声が返ってきた。

どうやら、私を山田先生と勘違いしている。




土井「山田先生じゃなくて……えっと」




名乗ろうとしたところで、すぱん!と障子が開き、
Aが顔を出した。




『……土井、先生?』



土井「ごめん……話があって」




真っ直ぐに私を見据えるAの瞳に、
体温がぐんぐんと上がっていく。




『私は話すことなんてありません』




べーっと舌を出して、Aは障子を閉じようとする。




土井「待って!」




瞬時に手を滑り込ませ




『わっ』



土井「……謝りたいんだ」




情けない声が出た。




◆◇




『謝られるようこと、ありません』




なんとかAの部屋に入れてもらった。
だけど、お互いの距離は部屋の端と端。




土井「あるんだって。聞いて欲しい」



『……なに』




Aはむすっとして、私を見ようとしない。




土井「親睦会のとき、というか
  君が着任してからなんだけど」



『久々に会ったんだから、
 わお!Aじゃん!とか言ってほしかった』



土井「そ、それは……ごめん」




さすがに言わない。ごめん。
するとAは、私をキッと睨んだ。




『あのですね、私のこと嫌いでも良いけど……
 いや、嫌だけどっ!

 せめて理由くらい教えてくれたって良いでしょ?
 ……あんな態度、酷い……』




そう言って、Aは自分の膝に顔を埋めた。



嫌いなわけがない。
だけど、そこまで思わせていたなんて。




土井「……聞いて」




少しだけ、少しだけ距離を縮めた。




土井「君と、上手く話せないだけ」




その言葉にAが膝に埋めていた顔を上げる。
そして明らかに、はぁ?の顔。




土井「嫌いなわけ、ない」



『……利吉が言ってたの。久々に会って間もないから、
 ぎこちないだけなんじゃないかって』




利吉くんとそんな話をしていたんだ……
ちょっと違うけど、あながち間違ってもいない。


まさか本当の理由を言うわけにはいかないしな。




土井「……そうなんだ。
  結果、避けるような態度を取ってしまって、
  すまなかった」




怒らせて、悲しませて、ごめん。

こんな私を、嫌いにならないで。




『……はぁ?』




あ、はぁ?の顔のままだ。

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設定タグ:忍たま , 土井先生 , 土井半助   
作品ジャンル:恋愛
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梅こんぶ(プロフ) - こんばんは!そして新作おめでとうございます!私も土井先生も大好きでいつもはなさんの作る小説&ドキドキ&恋愛&いろいろ楽しみにしていました☆後お気に入り登録しました無理せずに頑張ってください! (2021年11月21日 1時) (レス) id: 067eb46949 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2021年11月20日 23時

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