【忍たま】私は久々知くんが。【久々知兵助】

俺が守るよ ページ19

久々知side



ずっと、ずっと好きだった。



遠くから見ているだけで、充分だった。

時々話せるだけで、充分だった。

一緒に出掛ける機会があれば、充分だった。





そして気付けばもっと欲張りになっていて。





触れたい、抱きしめたい
自分のものになってほしい、と。




そして今、Aが……Aが、
自分の腕の中にいるなんて信じられない。





兵助「っ、A……」



『はっ……あ……へ、すけ』




大きな息をしながら、抱きつくA。
そんな姿が可愛くて、鼻の先に口付けた。




兵助「A、大好きだ……」



『私も……嬉しい。平助、大好き』




重なる汗ばんだ肌。



いつも元気で可愛いAとは違って、
溢れる色気に頭がとろける。




ゆっくり起き上がらせて
乱れた着衣を綺麗に整えてあげると、
Aは嬉しそうに微笑んだ。




『夢じゃないって言って？』



兵助「俺も夢かと思うくらいなんだけど……
　 夢じゃないよ」




良かった……！って、Aは首をこてんと倒す。


あぁもう、可愛い。




自分がくの一教室でどう言われているかは、
どうでもいい。



知らないと思うけれど、
実はAは俺たち忍たまの中で人気があって、
内心焦っていた。




それがどうだ、想いを伝えて良かった。




きつく抱きしめ、自分に言い聞かせる様に呟く。

　


兵助「Aはもう、俺のものだよ」







◆◇



尾浜「え、うっそ」



兵助「うん。今日、告白したんだ」




夜、勘右衛門にAと恋仲になったことを話した。

告白した後のことは、さすがに言えないけれど。




尾浜「おめでとう！俺も嬉しいよ」




ぐりぐりと肘を押し付けてくる勘右衛門は、
おもしろそうに、だけど本当に喜んでくれているようだった。




尾浜「恋仲ってこと公にはできないから、
　 これから虫除けが大変だな」



兵助「大丈夫だよ、俺が守る」





言うねぇ！と、また肘でぐりぐりされた。






うん。Aのことは、俺が守るよ。

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