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土井 side
会いたかったと、甘い雰囲気が流れて
可愛すぎて死ぬかと思ったのも束の間。
『それで！私の部屋へどうぞ』
手を引かれてAさんの部屋に来てみれば、
私と山田先生が不在だった二日間の授業内容や、
生徒たちの様子を教えてくれた。
生徒たちがとてもお利口だったらしく、
それを伝えたくて仕方なかったとのこと。
『あと、見てください。皆よくできたんですよ』
土井「あ、本当だ」
嬉しそうに、答案用紙を見せてくれるAさん。
まぁ、そんなところも可愛いのだけれど。
土井「二日間、どうもありがとう。
授業内容もとても良いし、助かったよ」
よしよしと頭を撫でると、
Aさんは嬉しそうに微笑んだ。
生徒たちへの指導や授業は本当に熱心だし、
頑張り屋さんだ。
でもそれで、自分のことは後回しにする傾向が……
土井「……それで、
Aさんはきちんと食事を取った？」
『乱太郎や伊作たちと一緒に』
土井「夜は早く寝た？髪は……」
『寝た。髪は拭いてもらいました』
え。拭いてもらった、だと？
誰だ誰だ、誰なんだ。
土井「だ、誰に」
『山本シナ先生。"土井先生は出張だものね"って……
ご存知なんです。私と土井先生のこと』
土井「えっ……そんな知られるようなこと……」
そんなこと、あっただろうか。
首を捻って考えていると、
『最近とっても幸せそうで、
土井先生が恋する姿は初めて見るって』
土井「なっ」
浮かれてた？最近浮かれてたかなぁ、やっぱり。
するとAさんが私の手に、その小さな手を重ねた。
『土井先生は……幸せ？私が、大切？』
土井「大切なAさんの傍にいられて、幸せだよ」
『嬉しい……土井先生がいなくて、寂しかった』
あぁ、急いで帰ってきて良かった。
寂しかった、と私を求めてくれるから。
恥ずかしそうに頬を染めて答えるAさんは、
堪らなく可愛くて。
土井「ねぇ……口付け、させて……？」
両手でAさんの頬を包み込む。
『土井、せんせ……』
土井「……早く会って、こうしたかった」
いってきますの口付けは頬にしたけれど、
ただいまは、その小さな唇に。
土井「ただいま、大好きだよ」
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作者名：はな
| 作成日時：2021年6月1日 23時
