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you side
土井「ではAさん。ごはんをしっかり食べて、
夜はしっかり寝ること。わかりましたか?」
『はい。いっぱい食べて、いっぱい寝ます」
よろしい、と土井先生は私の頭を撫でた。
土井「じゃぁ出張に行ってきます。
……あ、部屋の戸締り!忘れずに!」
そう叫んで、土井先生は小門から出掛けて行った。
『………障子に戸締りも何もないんだけどな』
さて、今日から土井先生は出張だ。
たぶん三日間ほどで帰るとのこと。
まだ早朝だし、今日の授業内容の確認。
テストの結果次第で放課後に追試。
『あとは実技の……』
ぶつぶつ独り言を言いながら歩いていると、
ぼすん、と何かにぶつかった。
『ごめんなさ……あ、」
利吉「A!おはよう」
『利吉くん、どうしたの』
ぶつかったのはなんと利吉くん。
こんな早朝にどうしたのだろう。
利吉「どうしたのって、Aに会いに」
『暇ってこと』
利吉「違うよ、前にも言ったけど。
Aに会いに行くって決めてたから」
相変わらず、利吉くんのその理屈が
よくわからないけれど。
会いに来たと言われても、
こんな早朝だから食堂もまだ開いていないし……
『………私の部屋、来る?』
利吉「いいの?土井先生に怒られるよ」
『どうして怒られるの』
着替えも終わっているし、
さっき土井先生が出張に出掛けるのを
見送ったところだから、そもそも忍術学園にいない。
利吉「あぁ、出張なんだ。
ねぇ、戸締りしろとか言われなかった?」
『言われたけど、どうしてわかるの』
利吉くんは、
本当に土井先生のことをよく知っている。
利吉「あはは。
でもAは部屋に誘ってくれるんだもん。
本当、土井先生も大変だ」
『大変?』
利吉「ううん、何でもないよ。さ、行こう」
そう言って、
利吉くんは私の手を取って歩き出した。
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作者名:はな | 作成日時:2021年6月1日 23時