【忍たま】私に、確かに刻んで【善法寺伊作】

コーちゃんは見た ページ7

伊作side



普段から不運大魔王と言われる僕だけど、
最近やたらとついてない。




今日だって見てみなよ。




落とし穴には、三回落ちた。

薬草園に行けば、蜂に刺された。

山に行けば、熊が出た猪が出た。



え、しぬの？僕。








伊作「うぅ、痛いっ」



乱太郎「大丈夫……じゃないですよね、伊作先輩」




保健委員当番の乱太郎が、
蜂に刺された僕の頬にぺたりとテープを貼った。




伊作「ぼ、僕は大丈夫だよ……乱太郎、ありがとう」



乱太郎「とてもそうは見えませんけど……
　 何か悩みがあるとか？」




いつにも増して不運爆発してますから、と
乱太郎は付け足した。




伊作「う、うぅん……」



新野「……物思いをすればするほど、
　 心は乱れるものですよ、伊作くん」




僕と乱太郎のやり取りを静かに聞いていた
新野先生が、そんなことを仰った。




伊作「新野先生……」



新野「きちんと受け止めて、きちんと見つめる。
　 そうすると心が落ち着いて、素直になれる」




言ってしまったことにこだわったって
ごちゃごちゃ考えたって、
その先には進めないのだから。





僕はどうしたいのかって、






伊作「……乱太郎。僕、用事思い出した」



乱太郎「へ？あっ、伊作先輩っ……」







慌てて部屋に戻り、筆を取る。


留三郎がいないので、今日の相棒はコーちゃんだ。




伊作「コーちゃん！
　 僕、Aちゃんに手紙を書くよ！」





〜Aちゃん
　
　この間はありがとう。
　
Aちゃんの職場を見れて良かった。

一緒に食べたお団子とっても美味しかったね。

　あの後、僕は無事に忍術学園に着いて、〜






伊作「違う、違う」




いつもこうやって、肝心なことは言えないまま
だらだらと書いてしまって。





考えても考えても、心は乱れるばかりで。






いつだって、
本当に伝えたいのはこれだけだったのに。






僕は今書いた手紙に大きくバツ印をして
新しい綺麗な紙に、これだけ書いた。









【Aちゃんに、会いたいです】

私よりむしろ→←めんどくせぇ！

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