めんどくせぇ! ページ6
伊作side
食満「お。おかえり、伊作」
そろそろ消灯の時間という頃、
僕は忍術学園に戻ってきた。
部屋では留三郎がまだ起きていて、
何やら課題のまとめをしているようだ。
伊作「ただいま……はぁ、休憩」
どさっと座り込んで目を閉じる。
食満「お疲れ。実家には寄ってきたのか?」
伊作「うん。本当、顔見せた程度だけどね」
食満「そっか。それが目的じゃなかったもんな」
ぱちっと目を開けて見ると、ニヤリと笑う留三郎。
食満「会いに行ったんだろ、Aちゃんに」
伊作「んなっ……」
図星すぎて、顔が熱くなった。
留三郎は僕のことはお見通しだ。
同室だからかな、六年間一緒にいるもんね。
で、Aちゃんだけど。
伊作「会えたよ、会えたんだけど……
留三郎ぉお〜!……いだっ!!」
留三郎に泣きつけば、頭を叩かれた。
食満「きったねぇ!鼻水出てんだよきったねぇ!」
とりあえず風呂に行ってこいと叱られたので、
汗を流して夜風に当たる。
そして僕は数刻前のことを思い出した。
伊作「………うわぁん!留三郎ぉお!!」
バァン!と障子を開けて、部屋に飛び込む。
食満「うるせぇ!それやめろ!!」
◆◇
食満「……で、そう言ってしまったんだな」
ふんふん、と頷く留三郎。
聞いてくれるのは嬉しいんだけれど。
食満「わかんねぇ、それの何が駄目なんだ」
そう言って、
留三郎は布団に大の字にひっくり返った。
食満「俺には、"幼馴染"と"ただの幼馴染"の
違いがわからん」
伊作「全然違うよ!ほら見てよ!」
僕は辞書で引いた"ただの"の意味を留三郎に見せた。
食満「えぇと……
取り立てて値打ちや意味がないこと、うん」
伊作「ほらぁ!僕そんな風に思ってないのに!」
食満「だー!めんどくせぇな!
なら、好きだって言えよ」
寝る!と、留三郎は布団に潜ってしまった。
伊作「ぐすん」
好きって言えたら、こんなに悩んだりしない。
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はな(プロフ) - ねう。さん» 伊作のお話なかなかないですよね…自分で作っちゃえ!のやつです笑)なんか伊作のホワホワ感と、でも男なんだぞってところも出したくて。私の欲が詰まった作品です😂読んでもらえて嬉しいです。コメントありがとうございます! (2023年1月4日 8時) (レス) id: 1cb0e453a9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 伊作のお話なかなかなくて、やっと良さげなのに辿り着けたらめちゃめちゃ良かったです…号泣 たくさん泣いてどきどきさせてもらいました!笑 素敵な作品をありがとうございました!とても面白かったです!! (2022年12月18日 1時) (レス) @page37 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 紅っこう飴さん» ありがとうございます!のろのろ更新の作品でしたが、なんとか完結しました!最後の方はぐだぐだっとなってしまいましたが、読んで頂けて嬉しいです!紅っこう飴様の作品も是非読みにいかせて頂きます!どうぞ宜しくお願いします。コメントありがとうございます。 (2021年8月29日 0時) (レス) id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
紅っこう飴(プロフ) - コメント失礼します。この度は完結おめでとうございます!よるのおあそびでも素敵なお話でしたが、派生作品もとても素敵で伊作の夢主さんへの優しい愛情や葛藤など読んでいてとてもドキドキしました!これからも、はな様の作品を楽しみにしています! (2021年8月23日 11時) (レス) id: c06d7fa039 (このIDを非表示/違反報告)
梅こんぶ(プロフ) - 早速新作読みに来ましたおめでとうございますどれも土井先生や伊作も大好きでこれからの作品頑張って下さい5月頃より、みことに梅こんぶに設定に変更しました。後お気に入り登録させて頂きました☆ (2021年5月13日 19時) (レス) id: 51e5a74e6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2021年5月13日 17時