【忍たま】私に、確かに刻んで【善法寺伊作】

あれから ページ26

you side



あれから伊作くんは
無事に忍術学園を卒業して

忍者、薬師として忙しい日々を送っている。




『ありがとうございました』



ちなみに私は、相変わらずこの茶店で働いている。




主人「Aちゃん、お疲れ様」



『すみません、お先に失礼します』




奥さんがお子さんを出産して子育てが忙しいので、
私もご主人から任される仕事が増えて、
日々充実している。


そして今日は、
早めに帰らせてもらうことになっていて。




主人「伊作くん、帰ってくるんだろう？」



『そうなんです』




今日は、忍務に出ていた伊作くんが帰ってくる。

ご主人と奥さんには、
薬師として各地を回っていると説明している。




店を後にして、私は自分の家へと向かう。


伊作くんが忍術学園を卒業してから、
私は実家を出て近くに暮らしている。




『ただいま……って』



「あ、Aちゃん」




家に着くと、玄関先には男の人がひとり、
私に向かって手を振る。




『留三郎くん！どうしたの？』



食満「久しぶり」




食満留三郎くん。

伊作くんを通じて知り合った仲で、
彼は学園時代、伊作くんと同室だったとか。




食満「今日は伊作が戻るって」




そうなのだ。


ここは、私と伊作くんの家。
いわゆる同棲というやつを始めて、しばらく。

そしてここは、伊作くんと繋がりのある忍者たちの
連絡所兼、こうして旧友が集まる場所になっている。


といっても、皆それぞれ忙しいので
頻度はそんなに高くないけれど。




食満「手紙。Aちゃんにも、届いてると思うけど」




留三郎くんは伊作くんからの手紙をみせた。




『うん、私も手紙もらった』



食満「嬉しいだろ」




いたずらっ子のような笑みの留三郎くん。



『ま、まぁね』




伊作くんに、早く。

会いたい。




◆◇



『お茶どうぞ』



留三郎「ありがとう」




私は留三郎くんにお茶とお菓子を出して、
伊作くんの帰りを待つことにした。



談笑をしつつお菓子を頬張っていると



突然、玄関の板戸が勢いよく開けられ





「Aちゃん、帰ったよ！！」






そう言って私を抱きしめたのは、




食満「お、伊作！おかえり」



「ただいま！って、留三郎！
…………Aちゃん、ただいま」





私の大好きな、伊作くん。

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