【忍たま】私に、確かに刻んで【善法寺伊作】

普通の男子なわけで ページ15

伊作side



いよいよ休暇も終わり、新学期が始まった。



Aちゃんと離れるのは
ものすごく、ものすっごく寂しいけれど


一流の忍者になる為に、
この忍術学園で頑張らないと。




　
"いってらっしゃい、頑張ってね"


さよならの朝、手を握って
口付けてくれたことを思い出す。



Aちゃんと気持ちが通じた今の方が
別れるのが辛いけれど、
頑張れる気持ちも大きいから。




伊作「頑張るぞ」




僕は忍術学園の門をくぐった。








食満「久しぶり！伊作！」



伊作「留三郎！元気だった？」



食満「あぁ、勿論だ」




同室の留三郎は相変わらず元気そうだ。

鍛錬も怠らず頑張っていたんだろう、
体格が一段と逞しくなったように思う。




食満「……で？Aちゃんは元気だったか？」




荷物を片付けていると、
留三郎が僕の体をひじで突いた。



そうだそうだ。
留三郎には言おうと思っていたんだ。




伊作「聞いてよ留三郎！
僕、Aちゃんに気持ちを伝えたんだ」



食満「おぉ！で、どうだったんだ？」




一流の忍者を目指す者といえど、
僕たちも普通の男子なわけで。


そういう話で盛り上がったりもする。






伊作「………Aちゃんも、
僕のこと想ってくれてたんだ」






はぁあ……と、休暇中のことを思い出して息を吐く。





食満「よかったな！大事にしろよ」




なんて言いながら、バシバシと背中を叩かれた。






食満「でも実習が増えるからな。
会えないのはいつも通りとして、
なかなか手紙を出すのも大変になるよな」



伊作「うん、まぁね。でも大丈夫だよ」







僕とAちゃんなら。

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