【忍たま】私に、確かに刻んで【善法寺伊作】

そして何度も ページ14

you side



伊作くんの長期休暇中は、幸せだった。




伊作「いってらっしゃい。頑張ってね」



『うん、いってきます』




私は変わらず仕事があるけれど
いつも伊作くんは送り迎えをしてくれた。


道中はなんでもない話をして、笑い合って
繋いだ手は温かくて。






奥「本当、仲良しでいいわねぇ」




私たちの様子に、奥さんはにこにこ笑ってた。







伊作くんは山に入って鍛練をしたり、
薬草探しをしたり、さすが忍者たまだなぁと思った。




『なにその怪我ーっ！！』


伊作「吊り橋が急に崩壊しちゃって」





『なにその泥まみれーっ！！』


伊作「一歩踏み出したら、ぬかるみだった」




不運大魔王は怪我まみれで帰ってくることもあって
手当てしたりもした。





休日にはふたりで町へ出掛けたり
河原や大木の下でのんびりしたり



夜には星空を見上げて寄り添ったり
"好き"と伝え合って、口付けたり





そして何度も


愛しあって、確かめあって



お互いを刻んだ。







伊作「この休暇が終わったら、
　 実習や課外授業が立て込んでるんだ」




だから、いつものように手紙をたくさん送るのは
難しいかも、と。




『大丈夫、気持ちは繋がってる………
　そう、だよね？』



伊作「うん、勿論。できるだけ手紙を書くよ。
　 僕はいつもAちゃんを想ってる」



『私も、伊作くんを想ってるよ』







もうすぐ休暇も終わる。



私たちはまた離れ離れに、
それぞれの生活を送る。




名残惜しいとばかりに

抱きしめて口付ける伊作くんが、
愛しくて堪らない。





伊作「たまには、活躍したよ！って
　 手紙を書きたいんだけどね」



『だいたい不運な話で埋め尽くされてるもんね』





そんな貴方も、どんな貴方も、


愛おしい。

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