【短編集】夢を見た (ページ27)

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🐶幸せは半分こにしてページ27

「ユノたらいまー」

彼女は随分ご機嫌に帰ってきた。

時間は22:30

帰宅時間は…うーん…まあ許容範囲だけど帰るならせめて連絡くれれば迎えに行くのに。そんな不満も届かないくらいに彼女は酔っ払って帰って来た

「ユノお土産ー！アイス一緒に食べよ！！」
大きな声で玄関から歩いてくる
そうして彼女はお高いカップのアイスを一つ机に置く

彼女の酔った時の可愛い癖の一つで帰り道にコンビニで高いアイスを買う。

そしてそれは、なぜか一個だけなのだ

YH「ありがとう、いただこうかな」

「んふふー！ちょうど食べ頃だよ」

彼女はスプーンを二つ用意して少し溶けたアイスを差し出す。

「ユノは夜でもアイス一緒に食べてくれるからすきー」

YH「そうなの？Aとアイスを一緒に食べたらずっと好きでいてくれるの？」
彼女の思考がおかしくて俺もふざけた返しをしたら「ユノはユノだから何してもずっと好きだよ」と微笑むからたまらず幸せを噛み締めて俯く

「ゆのー食べよ？あーん」
頬を赤く染めた彼女はスプーンに乗せたアイスを差し出してくれた

ぱくっと口に含むと程よく柔らかいアイスが舌の上を滑る

YH「うん、おいしいよ」

「ユノは？あーんしてくれないの？」普段はこんなに甘えてこないのに、酔っ払ってるせいか素直に甘えてくれる

「ああ、ごめんね。はい、あーん」
彼女にスプーンを差し出すと嬉しそうに口にする。
ああ、可愛いな…

彼女がアイスを幸せそうに食べてる姿を見るのも好きだし彼女が酔ってご機嫌な姿を見るのも楽しみにしている自分がいるのも確かだ。

「おいし〜！やっぱりこれにしてよかった！」

「Aはさ、なんでアイス一個だけ買ってくるの？」

純粋な疑問をぶつけてみた。

「一緒に食べた方が美味しいじゃん！」

「二人で分けるのが好きなの。美味しいものは全部ユノと共有したい！」

この酔っ払いの彼女と結婚しようと決断したのはこの瞬間だった

幸せは半分こにして