想い（2） ページ34
足を止めることなく、全速力で校内を走っていた私は、息を切らして“その”教室の前に立っていた。
既に休み時間が5分ほど経過している。
急いで目当ての人物を探したものの、
人より少しばかり背の高い彼はすぐに見つかった。
普段、教室に上級生が来ることはあまりないのか、
周りの生徒にチラチラ様子を窺われているのを知りながら、抑えめな声で彼の名前を呼んだ。
「ひー、ちゃん」
窓際の席で友達と喋っていたひーちゃんは
私の小さな声に気づいたらしく、目を丸くさせてドアのところまで来た。
「Aちゃん？
教室まで来て、どうしたの？」
ひーちゃんが転校生であるからなのか、
はたまた私がちゃん付けで呼んだからなのかは分からないが、
さっきよりも周りからの視線が痛い。
「…話、あるから次の授業サボってもらってもいい？」
私がそう言うと、思ってもみない言葉だったのかひーちゃんは更に目を丸くしたが、それもすぐ、表情を笑顔に変えた。
「…いいよ、Aちゃんが言うなら」
ひーちゃんは、問題ないというようにふわっと微笑んでいるが、生真面目な彼は授業をサボったりなんてしないんだろう。
そう思うと、罪悪感でいっぱいになったが、後には引けない。
「それじゃあ…屋上、行こっか」
さっき、菜穂は六時間目には出ると言っていたからもう屋上には誰もいないだろう。
そう言って、私達は屋上へと足を進めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
来た道をそのまま戻り、屋上へと辿りつくと
思った通りそこには誰もいなかった。
「それで…Aちゃん、話って？」
急に連れて来られたにも関わらず、
怒ることなく微笑んでくれるひーちゃんはやっぱりとても優しいんだと思う。
「………………あのね、」
きっと、そんなひーちゃんと付き合ったら
甘やかされて、優しくされて、楽しい毎日を送れるのだと思う。
そして、それは多分、誰もが欲しくてたまらない
“幸せ”なんだ。
「ひーちゃん」
そんなの、わかってる。
でも…
「…うん」
穏やかに微笑むひーちゃんに心の奥がズキンと痛む音がした。
覚悟していた数倍は強い痛みに思わず出てきそうになった涙を押し留める。
それでも、私は…………
「ごめんなさい。
…私は桐嶋くんが好きだから、ひーちゃんとは付き合えない」
自分の“想い”に忠実でいたい。
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まいまい☆ - トキヤloveさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。リクエスト、ありがとうございます！とても助かります。今書いているside:IKUYAシリーズが終わり次第、書かせて頂こうと思います！ (2019年9月29日 18時) (
レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - まいまい☆さん» こんばんは お疲れ様です。続き気になります。主人公が郁弥に、頬っぺたにキスしてほしいです。郁弥が、主人公に名前で呼んで欲しくて、壁ドンして、ほしいです。主人公も、お返しに、いつもドキドキさせられて、ばっかりだから、頬っぺたにキスしてほしいです。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: e59d869c74 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - 凛大好きさん» こんばんは、お久しぶりです。コメント、ありがとうございます。頑張りますね！ (2019年9月25日 23時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
凛大好き(プロフ) - まいまい☆さん» こんばんは お久しぶりです。更新ありがとうございます。続き気になります。頑張って下さい。 (2019年9月25日 23時) (レス) id: 666c266cdc (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - トキヤloveさん» 沢山のリクエスト、ありがとうございます！ポッキーゲームとクリスマスは前作でやらせて頂いたので、とりあえず郁弥sideのものを書かせて頂きますね！他のリクエストが来なかったり、話が余ったりしたら最初の二つも書かせて頂きます。 (2019年9月16日 20時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいまい☆ | 作成日時：2019年7月30日 18時
