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新一は階段降り切った所で、背後から声を掛けられた。
コナン「待てよ、キッド───。」
そこで新一に変装していたキッドは足を止める。
コナン「まんまと騙されたぜ。お前があの白鳥刑事に変装してくるとはな」
キッド「.....。」
キッドはコナンの言葉に応えず、ピィと指笛を鳴らした。すると事務所の窓際に置いてあった籠から白鳩さんが飛び立った
バサッバサッー!
『おかえり。』
飛び立った白鳩さんは私の人差し指に止まった。
コナンは音もなく現れた私に驚いた様子で、白いワンピースを靡かせながらキッドの隣に並んで立つ。
『目の怪我は大丈夫だよ。』
コナン「...そう...か。キッドお前、わかってたんだな。あの船で何が起こるのか」
キッド「確信は無かったけどな。一応、盗聴はさせてもらったぜ」
PON!
キッドは鳩を何匹も出しては、自身の体に鳩をとまらせてコナンの推理に耳を傾けその先を促した。
キッド「他に気づいた事は?」
コナン「夏美さんのひいおばあさんがニコライ皇帝の三女、マリアだって事言ってんのか?」
その言葉に背を向けていたキッドが振り返る。
対等した2人を見て、白鳩さんを撫でながら私が続ける。
『マリアの遺体はまだ見つかっていない。暗殺される前に喜一さんに助けられ日本へ逃れられる事ができたから2人の間には愛が芽生え赤ちゃんが産まれた。だがしかし、その直後に彼女は亡くなる...。
ロシアの革命軍からマリアの遺体を守る為に喜一さんはマリアが所持していた宝石を売り、城を建てた。その城をロシア風ではなくドイツ風にしたのはマリアの母・アレクサンドラ皇后がドイツ人だったから...』
こうして彼女の遺体はエッグと共に城に隠され、喜一さんはその在処を示したヒントを残した。
いつか、子孫が見つけてくれる事を祈って──。
コナン「汀紗の言う通り、こう考えれば全ての謎は解ける」
キッド「君に一つ、助言させてもらうぜ。世の中には謎にしておいた方が良い事もあるってな...」
コナン「あぁ、この謎はこのままにしておいた方が良いだろうな。それとキッド、一つ聞きたいことがある。
汀紗との関係についてだ。」
「『...。』」
コナン「大方お前らの関係は見えてるが、これだけは言っておく。...まぁどうせ汀紗の方はどう言っても聞かねェだろうけど」
『オイ。それどう言う意味__』
コナン「キッド」
『...!』
キッド「.....。」
コナンの聞いた事のない低い声に私は肩を窄める、コナンは真剣な表情でキッドと私を見詰めていた。
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作者名:MN | 作成日時:2024年2月23日 21時