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松本警視もといアイリッシュは巾着を逆さまにして中身を机の上にばらまいた。メモリーカードを探している。
その傍にあるワイングラスにワインを継ぎながら...
コナン「松本管理官はどうした。...まさか」
松本「...いーや、まだ生きてる。俺の身代わりに犯人役をやってもらわなきゃならねーからな」
そう言い、アイリッシュは見つけ出したメモリーカードを掲げてコナンに見せた。
コナン「それが組織のNOCリストが入ったメモリーカードか」
松本「あぁ。...まぁな、俺が偽物だといつ分かった？」
コナン「大凡の検討はついていた...変装が得意なベルモットじゃなく、別の人間が潜入したってことは体格が違いすぎて化けるのが不可能だったから。
そう考えると、アンタが1番の候補になる」
松本「なるほど。さすが、工藤新一だな────。」
まさか、正体を見破られていたとは...そう思いコナンは、新一は目を見開いた。その表情を見たアイリッシュはニヤリと口角を上げた。
松本「指紋が一致するまで俺も半信半疑だったがな」
コナン「っ...アンタらのボスには報告したのか？」
松本「いーや？まだだ...まだ誰にも、話してない」
コナン「ジンにもか──？」
松本「あぁ...。」
コナン「どうして...」
そう呟いたコナンを一瞥し、アイリッシュは歩く。
松本「...奴は以前、ミスを犯した組織のメンバーを射殺したうえ、その亡骸を炎上する杯戸シティホテルに放置し黒焦げにしやがった。
そのメンバーは俺が父親のように慕っていた人間だった」
コナン「杯戸シティホテル...。...！ピスコか！！」
松本「！...フッ、こっちのことも調査済みって訳か。」
コナン「...。」
コナンはアイリッシュを見詰めて、拳を握る。
何かこの場を突破出来る方法な無いか...。そう考えているとアイリッシュはワイングラスを片手に体の向きを変えた。
松本「工藤新一を殺し損ない、その上お前の正体を見抜けなかったのは奴の大きな失点だ...。
俺は、お前をあの方の前につれていく、あのキザな冷徹眼を失脚させるための証人としてな」
コナン「っ...、」
松本「それに、嬢ちゃんを悲しませる訳にはいかねぇんでな。連れて行く前に一目見させてやるよ」
コナン「嬢ちゃん...、汀紗か...。」
松本「嗚呼。一緒に此処に来ねぇかってデートに誘ったんだが、断られちまった。今も下でお前の帰りを待っているんじゃねぇのか？」
コナン「.....。」
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作者名：MN | 作成日時：2024年3月1日 18時
