仮説 ページ48
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you side
「A…？！どうしたんだその頭は！」
セブルスに談話室へと送って貰って中に入ると、もう既にドラコは起きてきており、いつものソファーに座っていた。ドラコと顔を合わせてすぐにそう言われる。そりゃそうだ。
『うーん、と…色々あって』
「何があったんだ、A…」
『…実はね、』
もう学期末ということもあり、ほぼほぼ授業もない。それに加えて朝も少し早い時間だったからか、人も少なかったのでその場で昨日あったこと、そしてハリーやロン、ハーマイオニーから聞いた話も含めながら話した。
「…そんな事が、…そうか」
『頭打って気を失ってただけであんまり、そんな事があったなんて今でもあんまり実感ないんだけど』
「Aが無事で、本当に良かった…」
『…ねぇ、ドラコ。私の両親が、ものすごーく悪い人だったとしても…仲良くしてくれる…？』
…これは、私の中で少しだけ考えていたことだ。クィレル先生の発言だったり、ハリーから聞いた例のあの人の言っていたこと。
私の中で、やっぱり私の両親は悪い人なのではないか、という仮説が立った。クィレル先生が私の両親について本当に知ってるのであれば、そちら側の人間なのではないか、と。
そして、もう一つ。例のあの人が、私のことを知ってるような発言をしていたらしい。そうなると、本当に例のあの人に近い人が私の両親なのではないか。
それなら、本当にアズカバンにいて…何かの縁でセブルスの家に行くことになったことも納得ができる。
「君のご両親が誰であれ、僕は君といたいからいるんだ」
嫌なことが、ぐるぐる頭の中をずっとしていた。
けど、そんなぐるぐるした嫌なことも吹っ飛ぶくらい、ドラコの瞳が私を真っ直ぐと映していた。
『…、ありがとう…ドラコ』
そんなドラコの言葉に、心がスッとした。
前と同じだ、またドラコの言葉に救われている。
私は、大丈夫。みんながいてくれたら、きっと大丈夫。
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作者名：リン | 作成日時：2022年11月7日 2時
