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その隙をついて倉庫を後にする。
当然モズが逃すまいと槍を奮ってきたが、そこは氷月大先生だ。
あの強烈な槍撃を、同じく槍一本で受け止める。
「ほら、実にちゃんとしてますよ。私の仲間たちは」
後のことは氷月に任せて、俺らは甲板へと続く階段を駆け上がる。
途中襲ってくる兵士はゲンが手品で騙くらかしつつ、急勾配な螺旋階段を登った。
甲板へ出ると、そこにはほとんど人影がなかった。
モズと氷月の戦闘レベルについていけねえと判断したのか、残ったわずかな兵士らも次々と海へ避難してやがる。
俺らをしつこく追撃してくるモズもすぐそこまで迫っている。
氷月がソレを留めようとしてはいるが、やっぱりと言うか、ただの槍じゃ扱いにくそうだ。
確か氷月の槍は管槍とか言うやつだったはずだ。
ただの筒状の管を槍に通してるだけに見えたが…マジでそれだけなのかは分からねえ。
ただ、ないよりはマシだろう。
このまま距離を取るフリをして、島の中で管にできそうな素材を探す。
ソレさえ渡しちまえば、氷月の最強さは確定しちまうが、背に腹は変えられねえ。
甲板を駆け抜けて、そのまま俺らも海へダイブする。
その一瞬、ペルセウスのフィギュアヘッドの方に、まだイバラに拘束されたままのAが見えた。
波に揺られながら、僅かな時間黒曜石と交わる。
「戻るのか島に？！」
「ああ」
龍水の声に、一気に現実へ引き戻された。
そこらに放置されてた小舟を拝借して、全員濡れ鼠のまま乗り込む。
「いや逆にヤベーだろ、この島まるごと石化光線されるっつうのによ。なんでわざわざ…」
「さっき言ったのはモズの手前の方便だ」
クロムの言いてえこともわかるが、振り返って見る限りでも、絶対的に氷月の方が優勢とは言い難い状況だった。
「氷月が俺ら気にして戦いづらい？んなお優しいタマなわきゃねえだろが」
「「たしかに」」
「全員ハモったし…」
「ホントはな、島でゲットしなきゃなんねえもんがあんだよ。ソッコーでそれさえ作りゃ、俺らの勝ちだ…！」
何をゲットするべきか分からねえ奴らの、遥か後方へ視線を投げる。
鮨詰め状態の小舟はどんどんペルセウスを離れ、島へ近いていくから、当然、もう黒曜石を見ることはできなかった。
そんな俺の視線の先を察したのか、ゲンが控えめに「Aちゃんは良かったの？」と聞いてきた。
「深く考えずに、みんな千空ちゃんについてきちゃったけど…」
「あー、要らねえ心配だ。Aは船にいる方が都合がいい」
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sora(プロフ) - カルーアさん» とても長い作品になってしまいましたが、終わりを惜しんでいただけて感無量です。なかなか世の中が落ち着きませんが、カルーアさんもお気をつけてお過ごしくださいませ。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2020年12月28日 23時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - カルーアさん» ご感想ありがとうございます。どんなに色んなものがなくなっても、人間の根底はそう変わらないと私は思っています。彼が好きだからというよりも、彼女のどこまでも人間らしい気持ちが、何より裏切りたくないという誠実につながるのではと考えました。なんだかんだで→ (2020年12月28日 23時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
カルーア(プロフ) - この世の中コロナも変異種が出たりと不安が多いですし、soraさんも体調には気をつけてどうかお過ごしください。続編も楽しみにしています。 (2020年12月28日 9時) (レス) id: 0fc594eb2a (このIDを非表示/違反報告)
カルーア(プロフ) - 人生青史�ゴ扱襪�めでとうございます。夢主ちゃんは記憶が無い中で本の中の自分とその自分が愛している千空を信じ続ける姿に心打たれます。もうすぐ終わりということでとても寂しく思いますが、最後まで心より応援させていただきます。 (2020年12月28日 8時) (レス) id: 0fc594eb2a (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 坂田銀糖さん» 書き込みありがとうございます。本当は毎日更新をまたしたいのですが、なにぶん気分の上下が激しく…できる時にまとめて更新になってしまい申し訳ありません。後少しで彼女と彼の関係も変わるかと思います。もう少しこのまま読み進めてください。よろしくお願いします。 (2020年12月27日 21時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年10月21日 9時
