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袋の鼠になった侵入者クンたち。
甲板に残ってたのも、自らAちゃんを連れてやって来てくれた。
あとは目の前で彼らを殺せば、Aちゃんの不遜な態度も、プライドも、全て粉々に出来る。
思わず口角が吊り上がるけど、それは長く続かなかった。
おじちゃんの傍に連れてこられて、兵士の1人に拘束されているAちゃんの唇が、音を立てずに動いていたのが一瞬見えたから。
おじちゃんが見た瞬間は、言葉の最後だったみたいで、何て言ったのかは分からない。
でも、サイレントで放たれたそれは、追い詰められた侵入者には伝わってしまったらしかった。
｢追い込まれたんじゃねえ｣
沈黙していた男が1人、さっきまでとは打って変わって不敵に笑った。
｢追い込んでいただいたんだよ。はるばるこの部屋にな…｣
薄暗い部屋の中で焚かれた炎じゃない光。
その光を反射する男の目はギラギラと反抗的だった。
その目は覚えがあったし、Aちゃんで痛いほど学んだ眼差しだった。
男は背に向けていた小さな小屋の中に、後ろ手のまま、何か水の入った器を投げ入れた。
その小さな小屋の中に何が入っているのかは、おじちゃんがこの船に初めて乗った時に確認済み。
確か石化した男と女が、硬い柵に鎖されていたハズ。
男が投げ入れた器が割れる。
そこから溢れた水が、男の石像にかかった。
｢ククク。こんだけは使いたくなかったカード。最後の、ジョーカーだ…！｣
途端、眩しい光が小屋の中から溢れ出す。
まるで太陽がそこにあるような、眩い明かりに、腕で影を作って目を凝らした。
一体何が起きているのかその場がどよめく中、硬すぎて開けられなかったあの小屋の柵が、音もなく開いたのが見えた。
次第に光が収まって薄暗い部屋に目が慣れると、そこには、さっきまで確かに石像だった男が立っていた。
｢あははは…ジーマーで、とうとう解放しちゃった…氷月ちゃん…！｣
氷月と呼ばれたその男は、立てばなかなかの長身で、まるでぬるりと幽霊のように突っ立っている。
既に戦闘不能になってる槍使いから、金色の槍を受け取ると、糸のように細い目で周囲を見渡す。
｢銃もない今、この後どうやってこいつを止めようってんだい…嫌ってほど知ってんだろう、氷月の異常な強さ…！｣
｢ククク。んな先の心配よか、まずはそもそも氷月大先生に味方についていただけっかどうかだ｣
奴らの会話を聞く限り、どうやら最後の切り札らしいけど、絶対的に味方ってわけではないみたい。
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sora(プロフ) - カルーアさん» とても長い作品になってしまいましたが、終わりを惜しんでいただけて感無量です。なかなか世の中が落ち着きませんが、カルーアさんもお気をつけてお過ごしくださいませ。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2020年12月28日 23時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - カルーアさん» ご感想ありがとうございます。どんなに色んなものがなくなっても、人間の根底はそう変わらないと私は思っています。彼が好きだからというよりも、彼女のどこまでも人間らしい気持ちが、何より裏切りたくないという誠実につながるのではと考えました。なんだかんだで→ (2020年12月28日 23時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
カルーア(プロフ) - この世の中コロナも変異種が出たりと不安が多いですし、soraさんも体調には気をつけてどうかお過ごしください。続編も楽しみにしています。 (2020年12月28日 9時) (レス) id: 0fc594eb2a (このIDを非表示/違反報告)
カルーア(プロフ) - 人生青史�ゴ扱襪�めでとうございます。夢主ちゃんは記憶が無い中で本の中の自分とその自分が愛している千空を信じ続ける姿に心打たれます。もうすぐ終わりということでとても寂しく思いますが、最後まで心より応援させていただきます。 (2020年12月28日 8時) (レス) id: 0fc594eb2a (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 坂田銀糖さん» 書き込みありがとうございます。本当は毎日更新をまたしたいのですが、なにぶん気分の上下が激しく…できる時にまとめて更新になってしまい申し訳ありません。後少しで彼女と彼の関係も変わるかと思います。もう少しこのまま読み進めてください。よろしくお願いします。 (2020年12月27日 21時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年10月21日 9時
