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それは幾つの時だったか、もう忘れてしまったけど、まだあの人を、あの子と呼んでも違和感がないくらい可愛らしい顔をしていた頃の話。
「転んだの？」
家の近くの公園で膝を擦りむいた私。
両膝の赤は砂を巻き込んで痛々しかったし、掌の付け根も皮がむけていた。
水道に行って水で流したかったけど、そこには私をこんな目に遭わせた張本人たちが屯していた。
且つ、水道は唯一の公園の入口にあったから、身長が低くて柵を越えられない私は袋の鼠だった。
家に帰りたいと泣きべそかく私の上に降ってきた声は、俯いていた顔を自然と上げさせる。
ぱっちりした(少し垂れてる)目は、透き通った青。
まつ毛がとても長くて、子供ながら、その子の事をとても美しいと思った。
「あー、けっこう擦りむいてるな」
遠慮なく私の両手や血が流れ続ける膝小僧を「うへえ」という顔で見たその子は、何が何だか分からない私に目線を合わせるようにしゃがむと、にっこりと笑った。
「泣かなくていいぜ。すぐ治るから」
「…？治るって…？」
突拍子もない台詞をオウム返しすると、その男の子は何も答えずに、私の血だらけの膝に手を伸ばそうとするから、慌てて体を捻って逃げた。
「ダメだよ。汚れるよ」
至極当然のことを言ったのに、キョトンと目をまん丸に見開いて、男の子は次の瞬間おかしそうに笑った。
「大丈夫だぜ」
「バイ菌つくよ」
「そのままにしてる方がバイ菌入るって」
「でも触ると痛いの」
だから早く帰ってお風呂場で洗って、絆創膏を付けたいのに、あの学ランの人達がいるから…
また恨めしげな眼差しをそっちへ向けたら、男の子の青い目も同じように動いて、そしてすぐこっちを向き直った。
「分かった、じゃあおれの目を見て」
「目を？」
なんだろう？
素直に言われた通り青い目を覗き込むと、男の子の手が伸びてきて、私の手に再び触ろうとするから慌てて引っ込めようとした。
そしたら「ちゃんと見てって」と唇を尖らせるから、渋々手を掴まれたまま、また青を見つめ返す。
「おまじない」
その澄んだ青は海でも空でも宝石のようでもあった。
心做しか、青の中にフラミンゴのような鮮やかな桃色も見えた気がして、無意識に男の子の手を握り返すと、また男の子は笑った。
「見つめすぎだぜ」
「…きみが見ろって言ったのに」
「でも、おまじないは効いただろ」
言われてハッとすれば、掌も膝も血どころか傷も痛みも何も無くなっていた。
それが私と、東方仗助の出会い。
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sora(プロフ) - 雪姫さん» 「星の息」と「ジュエリーテイルは溢れ出す」のどちらもを更新し続けたいと思います。以前ほどのハイペースな更新はできていないので、気にせずのんびり養生ください。また雪姫さんが読みにきていただける日をお待ちしています。よろしくお願いいたします。 (2020年12月5日 22時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 雪姫さん» 書き込みありがとうございます、もちろん覚えていますよ。しばらくご意見を頂けていなかったので、お忙しいのかと思っておりました。まさか病気とは思わず…これからより一層寒い時期になりますし、まずはご自愛頂ければと思います。私の方ものんびりではありますが→ (2020年12月5日 22時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - ジョジョの通知が来ていた時はとても驚きました。まさか、soraさんだとは思わなくて。四部も大好きなので、無事病気が完治した(緩和した)時には読ませて頂きたいなと思っています。長らく読めていませんが、今でも彼女が本当に大好きです。ずっと応援しています。 (2020年12月5日 0時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - 覚えてくださっているのか分かりませんが、お久しぶりです。最近病気の関係で文章を追うのが難しくなってしまい、大好きな博愛の賢者の行先を見届けられていないのが辛く、このサイトからも離れてしまっていたのですが、久々に少しサイトを開き、お気に入り作者の新作と (2020年12月5日 0時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 豆腐の角さん» こんばんは。書き込みありがとうございます。自分でも新しいジャンルに手を出したなあと思っています。バトルはあまり得意ではないので、バトル以外のところに重きをおいて描いていきたいと思います。時期的におかしなチョイスですが、この小説もよろしくお願いします。 (2020年8月26日 22時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年8月25日 16時
