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肩から下げていたポシェット(石神千空が洞窟を出る前にくれたもの)から、丁寧に中身を出して並べる。
私の一挙一動を注意深く見るイバラを、なるべく視界に入れないよう目線を下げた。
結局、私の言葉を信用しきれない宰相により、いわゆる持ち物検査をいま受けている。
羽根ペン、二色のインク壺、石の欠片、小冊子、そして、貝が3つ。
草編みのポシェットから次々と出てくるものを、目を皿のようにして見つめ、それぞれがどんな用途で使うのかを探るイバラ。
安直に手を伸ばしはせず、距離をとったままなのを見る限り、確かに慎重な性格だと思った。
「石の欠片と貝と羽は見て分かるけど、水が入ってるソレ、なに？」
「インクです。これで文字を書くんです」
「モジ…？」
「これのことです」
どうせ見せても読めないと分かっていても、内容を知ってる私からするとかなりの羞恥だ。
けれど、ここで渋っても仕方ない。
迷わず表紙を開いて中身を見せると、警戒してイバラが少し体を引いた。
「なに？このミミズの絵みたいなの」
「これが文字ですよ。文字を使って色んなことを記録するんです」
「…ふーん」
私が触って問題ないと思ったのか、まるで汚れ物でも触るような手つきでイバラがページを捲った。
「なんて書いてあるの？」
…絶対聞かれると思った。
これだけびっしり文字が書かれているのだから、その内容が気になるのは当然だ。
だからといって、この本を私は手放すことが出来ない。
いずれ見つかるのは時間の問題だから、それならいっそ…
「あの大きな船のことが書いてあります」
「！」
「そして、私が来たこの島の外のこと」
石化武器を手に入れるのに必要なものはなにか？
今朝方、カヌーで洞窟を後にする直前に石神千空と話した内容が脳裏を過ぎった。
「石化武器を手に入れる。そのために必要なもんはなんだと思う」
草編みのポシェットを私へ突き出しながら、石神千空が問う。
私はお礼を言いながらそれを受け取り、寝不足な思考を回した。
「情報と、人手？」
「ククク。さすがA先生。正解100億点満点やるよ」
「先生って…」
なんだか歯がゆいな、その呼ばれ方。
照れ隠しながら、ポシェットに冊子を入れようと開いたら、その中には既にいくつかの荷物が詰められていたことに気付いた。
「21世紀のネコ型ロボットもビビる素敵アイテム入れといてやったぜ」
「この貝のこと？」
「ああ。そのうちの1つは中身が口紅になってる」
彼が二枚貝を1つ開いた。
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sora(プロフ) - 北さん» いるように、きっと強い重力が働いているのではないでしょうか。そういう2人であって欲しいと私は思っています。原作自体一人ひとりの魅力が強い漫画ですので、彼女も同じように恒星になれたら嬉しいです。応援ありがとうございます。北さんもお体ご自愛ください。 (2020年8月30日 15時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつも書き込みありがとうございます。彼女も少しずつ成長をしているのかもしれません。記憶がないからこそ自分の二本足でしっかりと立ち、自分のいく末を選択するんだと思います。でも潜在意識というものが人にはあるとも思っていて、生涯のパートナーを直感で選ぶ人が (2020年8月30日 15時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - また心から笑い合える日を待っています。これからも応援しています。無理のない程度に頑張って下さい。長文失礼致しました (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - もしれません。もし私が彼女の立場であったら、簡単に千空を信じられないでしょうし、自ら行動なんて起こせないでしょう。sora様の描写の素晴らしさもあってか、いつもより強く感じます。素敵です。けれど、やはり記憶が戻って欲しいのもまた事実。千空と愛史ちゃんが (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 完結お疲れ様です。実を言えば記憶のある愛史ちゃんよりも記憶のない愛史ちゃんの方が好きだったりします（勿論どちらも好きですが）惚れたと言いましょうか、、、。自分の記憶がないのにも関わらずいつも通り、いや、それ以上に真っ直ぐで頭の良い彼女に憧れているのか (2020年8月30日 15時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年8月2日 17時
