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記憶を頼りに、あの大きな船(ペルセウスというらしい)にたどり着いた。
やっぱりというか、当然の如く船には警備兵がたくさんいて近寄れそうにはない。
低木のそばに身を隠し、革袋から折りたたみ式の望遠鏡を取り出す。
昼間もう少しちゃんと見ておけばよかった。
瞳の色は分からなくても、眉頭にヒビがあると書いてあったから、それでわかるかもしれない。
望遠鏡を覗くと、船上の石像がよく見えた。
その一つ一つを見ていくだけで、胃もたれのような具合の悪さが襲ってくる。
あれが、人だったなんて…
服の特徴を見れば、なんとなく本に出てきた人と照らし合わせることが出来そうだ。
トリコーンを被っているのが龍水。
弓矢を構えているのが羽京。
頭に縄の鉢巻がクロムで、体格の良い老人がカセキ…
おおよその予測で判断しながら、石神千空なる男を探す。
けれどここから見る限りでは見つけられそうにない。
そもそも石像は破損しているものもあり、ひびなんて誰にでも入っているように見えたのだ。
どうしよう…どれが石神千空かもわからないし…石化してるかどうかも…
もう一度本の中にヒントがないか確認しようと皮袋に手を伸ばしたところで、割とすぐ近くの崖が崩れた音がした。
驚いて身を竦め、一度低木の裏に隠れる。
人の気配は…しない。
大きく深呼吸をしてから、望遠鏡をもう一度覗き込んで音のする方を見れば、そんなに遠くないところで女の子が2人戦っているのが見えた。
岩さえ砕く足技と、華麗なステップで踊るように戦う黒髪の女の子。
防戦一方に見える金髪の女の子の方は、どんどん着ている服がボロボロになっていく。
あまりの戦力差に生唾を飲んだ。
なにあれ、どういう戦いなの…？
私とあんまり歳が変わらないように見えるけれど…
息を飲む戦闘に目を離せずいたら、ふと、望遠鏡のレンズの端に別の何かを捕らえた。
彼女たちの戦闘を見守っているのは、どうやら私だけではなかったようだ。
戦いが繰り広げられている崖の上。
草むらに隠れるように様子を伺う男女4人が見える。
そのうちの女の子と男1人はこの島の人間に見えたけれど、残り2人は違かった。
私が着ていた皮服と同じような服。
それが分かっただけでも、胸の奥がじんわりと暖かくなったのがわかった。
きっと、船の生き残りだ…！
茂みからなるべく体を晒さないように一旦森に戻り、走り出す。
遠くてよく見えなかったけれど、白黒の髪の男はメンタリストだ。
それじゃあ、残り1人は…！
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sora(プロフ) - 北さん» そして、この小説をきっかけにアニメだけではなく、原作まで手を伸ばしていただけたこと本当に嬉しいです。原作の彼らが大好き過ぎてできた作品なので、是非本編を片手に読み進めていただけると幸いです。宝島編はまだ続きますが、最後までよろしくお願いします。 (2020年8月2日 16時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつもご感想ありがとうございます。小さな手がかりからでも誕生日を当てられるくらい、彼も彼女のとの些細な日常を大切にしていると思います。いつも静かに寄り添ってくれていたからこそ、真正面からぶつかるのは、彼自身ドキドキしたかと思いますが。→ (2020年8月2日 16時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 実は私、アニメ民でほとんど内容を知らなかったんです。けれど、この小説を本当に楽しく読みたいと思い、漫画も読み始めてしまいました。（ついでに星の息も読み返してしまい追いつくのが大変でしたが）。これからも無理のない程度に頑張って下さい。楽しみにしています (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 千空が誕生日を当てたとき、なんてヤバイやつなんだ…と心から尊敬しました（一個前の作品と続けて読んだためこの章じゃないかもしれませんが）。本当にsora様の書くお話が好きでたまりません (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 完結お疲れ様です。お疲れ様でした。本当…もう…素敵でした…。私の語彙力では言い表せませんが、とにかく読んでいて幸せでした。愛史ちゃんの記憶が消えてしまってとても悲しいですが、記憶がなくなってもなお、千空を信用していてなんだかきゅんきゅんします。 (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年7月19日 22時
