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出来上がったシャンプーの泡立ちに感動する原始の民たち。
私もあとで使わせてもらおうかな。
コハクの金髪を綺麗に洗い終えたあとは、大きなうちわによる人力の風で乾かす。
全員が風になびく金髪を拝めると思ったけれど…
その期待は一瞬で打ち砕かれた。
また元気よく天をつく金髪に、一斉に顔をしかめる。
「何で？！」
「どんだけ剛毛だテメー」
「最強コハクちゃんは髪もなのね…コンディショナー必須かも」
さすがの石神千空も呆れ顔だったけれど、すぐに気を取り直すと、彼女の髪を一本無遠慮に抜いてよく見えるように掲げた。
「髪も科学だ！毛髪っつうのはな、タケノコの皮みてえなカバーで包まれてんだ」
「…タケノコ…」
「シャンプーでワシャワシャ洗うと、汚れは落ちるがカバーがベロベロにめくれちまう」
「それで今コハクちゃんの髪、洗ったのにゴワゴワになったのね」
「おお、今回の千空科学トークは私でもなんとかついていくのを諦めてないぞ！」
なるほどと頷きながら彼の話を聞くみんな。
その説明の分かりやすさに驚いた。
だって原始の民にも伝わるなんて…
関心を通り越して驚きを隠せずにいたら、石神千空はまたもキラキラした瞳でビーカーに薬品注ぎ入れ始める。
「そこでだ、アルカリでこじ開けたコルテックスに糖分ブチ込んだらマイナスに帯電しまくった表面に…」
「いま全員ついてくのあきらめた…」
唐突に専門用語も混ざったから、その場の全員が目を白黒させてしまう。
あまりの既知の広さに目眩がしそうになったけれど、私は慌てて腰の皮袋から冊子を取り出し、彼の傍に膝を着いた。
「ま、待って。もう1回。ちゃんと説明して」
私の中にたくさん知識があるのは何故かは分からない。
けれど、せっかく色んなことを知っているならちゃんと活用したいし、知らないことは勉強したい。
確か羽根ペンもインク壺も皮袋に…って、
「ああっ、ペンもインクもないっ」
そういえば置いてきたんだったあああ
荷物を最小限に減らしたつもりが、仇になってしまったらしい。
そもそも、本とペンを持ち歩いてた時点でこういう事態を予測すべきだった。
数時間前の自分の行動に悔やんでいたら、隣の石神千空が唐突に笑いだす。
「ククク。心配すんな、ラボん中に紙もインクもペンも、なんなら鉛筆もアホほど積んであるわ。その本にメモするよりいいんじゃねえか？」
何がおかしくて笑っているのか分からない。
けれど、なんだかその笑顔が年相応に見えた気がした。
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sora(プロフ) - 北さん» そして、この小説をきっかけにアニメだけではなく、原作まで手を伸ばしていただけたこと本当に嬉しいです。原作の彼らが大好き過ぎてできた作品なので、是非本編を片手に読み進めていただけると幸いです。宝島編はまだ続きますが、最後までよろしくお願いします。 (2020年8月2日 16時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 北さん» いつもご感想ありがとうございます。小さな手がかりからでも誕生日を当てられるくらい、彼も彼女のとの些細な日常を大切にしていると思います。いつも静かに寄り添ってくれていたからこそ、真正面からぶつかるのは、彼自身ドキドキしたかと思いますが。→ (2020年8月2日 16時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 実は私、アニメ民でほとんど内容を知らなかったんです。けれど、この小説を本当に楽しく読みたいと思い、漫画も読み始めてしまいました。（ついでに星の息も読み返してしまい追いつくのが大変でしたが）。これからも無理のない程度に頑張って下さい。楽しみにしています (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 千空が誕生日を当てたとき、なんてヤバイやつなんだ…と心から尊敬しました（一個前の作品と続けて読んだためこの章じゃないかもしれませんが）。本当にsora様の書くお話が好きでたまりません (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
北(プロフ) - 完結お疲れ様です。お疲れ様でした。本当…もう…素敵でした…。私の語彙力では言い表せませんが、とにかく読んでいて幸せでした。愛史ちゃんの記憶が消えてしまってとても悲しいですが、記憶がなくなってもなお、千空を信用していてなんだかきゅんきゅんします。 (2020年8月2日 0時) (レス) id: c788d63342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年7月19日 22時
