救世の英雄�� ページ11
何故電話をかけた側の千空が要件を求めるのかとクロムへ問えば、千空がイバラに勝利した後、ルリから通信があったという。
しかし電池の残量や電波塔になっているペルセウスの通信機の故障(正しくは破壊)により、それは一瞬で切れてしまったらしいが。
だから通信機を優先的に直してたのか…
『千空、あなたが不思議な通信を…』
通信機の前に立つ彼の背中をぼんやり眺めていたら、不意に、あの耳障りな音がルリの声を遮った。
ザザザ…！とざらついた雑音と、羽京の「通信が遮断された！別の強力な電波で…！」という言葉が、部屋に緊張を走らせる。
「別のって！俺ら以外人間いないはずなんだからそれってもう…！」
いつの間にか多くの人が通信室に集まっていて、瞬間的に皆がホワイマンを脳裏に思い浮かべた。
「モールス信号か？！」
「…いや、違う」
私の肩を掴んで後ろへ引き、代わりに前へ躍り出た龍水が千空の隣に並ぶ。
そこでようやくこちらを見た千空と一瞬だけ目線が交わったけれど、彼のガーネットはすぐさま龍水へ向かった。
しんと静まり返り、その場の全員が耳をそばだてる。
無意味に響くノイズに私も集中した。
そうして息を殺していると、耳障りな雑音に混じって何かが聞こえたような気がして。
「今…人の声が聞こえたような…」
思ったままにそう呟いたら「人間の声？！」と周囲がざわめく。
そして次の瞬間、はっきりとした無機質な声がスピーカーから放たれた。
『12800000m、1second』
咄嗟のことだった。
その言葉の意味を理解した瞬間、メデューサを持っていたコハクの腕を掴んで、私はスピーカーから離れるようにこちらへ強く引いた。
それと同時にアマリリスも声を荒らげる。
「ダメ！石化装置を…！」
「あーわかってる。死んでもスピーカーに近づけんじゃねえぞ」
千空がイバラと決着をつけた瞬間のことを、私たちは全員が知っている。
メデューサはスピーカー越しでも起動できる。
その事実を知っているからこそ皆が体を強ばらせて、少しの間コハクの持つメビウスの輪を見つめた。
しばらくしても光らないそれに、誰かが息を吐いた。
「フゥン、ついにホワイマンのスタンスがはっきりしたな。俺たちを滅ぼそうとしている。これは明確な攻撃意思だ！」
「わっけわかんねえ！なんで通信で…」
「ふざけすぎでしょ12800000mとか！なんなのそのクソデカドイヒーの具体的すぎる数値…！」
ゲンの当然すぎる指摘。
私は自然と千空と目線を合わせた。
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綾瀬 - 続きの月の船も、もちろん拝読させていただきますが一旦気持ちが抑えられず…コメントさせていただきました…。失礼します。 (4月25日 17時) (
レス) id: 27ab9d3713 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬 - コメント失礼します。毎日読み進め、作品に浸る時間がとても楽しかったです。読み終えて、こんなにも充実した気持ちになる作品に巡り会えとても嬉しい気持ちです。Dr.STONEは勿論好きですが何よりsoraさんの文章力や表現が素敵で思わずコメントしました。大好きです。 (4月25日 17時) (レス) @page41 id: 27ab9d3713 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 鈴音さん» 書き込みありがとうございます。星の息を読んでアニメだけではなく原作の漫画まで読んでいただけたいただけたこと本当に嬉しく思います。私もDr.STONEが大好きなので、その気持ちが伝わる文章が書けていたと分かり、作者冥利につきます。完読ありがとうございました。 (2022年2月23日 10時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音 - コメント失礼いたします。作者様の素晴らしい文章力とキャラ設定がとてもとても好きです！もともとアニメしか見ていなくて、単行本を買うべきか悩んでいましたが、この作品をきっかけに購入しました！素晴らしい作品を読ませていただき本当にありがとうございます！ (2022年2月19日 21時) (レス) @page41 id: e5b68abb09 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - shiochanさん» ご感想ありがとうございます。単行本で彼らの復活は読んでいて、私もどのように関わろうかと思案中です。なかなか相性が合うのか合わないのか微妙なところなので、違和感のないように描ければと考えています。文字になるまでもう少しお待ちください。 (2022年2月6日 21時) (レス) id: a1dae06abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年2月16日 19時
