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「ひいい何？！」
何事かとテントの中にいたみんなも外へ出てくる。
全員が音のした方へ向いた時には、もくもくと青い空に黒煙が立ち上っているのを見た。
煙を見る限り、かなり大規模な爆発だ。
「事故ったのか？！」
「いや違う！この感じは…！」
「どこだ場所は？！」
クロム、羽京、コハクが次々に言葉を発するなか、千空が愕然とした顔で「奇跡の洞窟…！」と叫んだ。
肺がひゅうと、冷たい空気を吸い込んだ。
あの洞窟の硝酸がなければ、これから先、人類をどうやって救う？
「っ、あっちはまかせて！千空は氷月を…！」
嫌な予感はしていた。
奇跡の洞窟に幽閉されていたとき、躊躇無く私に怪我を負わせたのは氷月だけだった。
その彼がここ数日は大人しく、そして私に近寄ってすらこない。
ゲン曰く、ほむらは氷月の言うことはなんでも聞くと言うから、もしもあの爆発がほむらによるものだったなら、何かしらを企んでいるはずだ。
走り出そうとした私を、コハクが止める。
「待てA！君が行くよりも私が行ったほうが早い！」
「だめだ！テメーはこっちに来い！司がいるとしても氷月相手だぞ！」
既に司や未来たちの方へ駆けている千空は、その場にいたほとんどを連れている。
コハクは煙の立ちのぼる方を悔しそうに見て、それから「まかせた」と一言残し、彼らの後を追う。
そう、そうだ。
私は戦えないから、こういう時に千空の役に立てない。
それなら私が出来ることはなにか？
今はそれだけを考えて、空を黒く染めていく煙へ向かって足を踏み出した。
洞窟についた頃には土煙も黒煙もなく、崩れ落ちた奇跡の洞窟を前に呆然とみんなが立ち尽くしていた。
ずいぶんな距離を走ってきたから、気管が悲鳴を上げている。
ぜいぜいと息を整える私に気づいたカセキ爺ちゃんが慌てて水を飲ませてくれる。
「見てのとおり…オホホ…奇跡の水が埋まっちゃった…」
肩を落とすカセキ爺ちゃん。
それもだけれど、
「怪我人は？」
最悪、硝酸は時間をかければ作り出せると千空が言っていた。
それよりも医者のいない今、重傷者がいないことだけを祈る。
「点呼をとって確かめたが、全員無事だ！」
まるで私の懸念を吹き飛ばすような、元気な声。
振り返ればいつものように、目の覚めるような笑顔を浮かべた大樹が立っていた。
「大樹！」
「爆発音がしてすぐに走ってきたんだ！」
結構な距離でも彼の足にかかれば数十分のようだ。
必死に走ってきたのがバカらしく感じる。
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sora(プロフ) - さやなぎひまりさん» ご感想ありがとうございます。Dr.STONEから初めて知ったバンドでしたが、とても綺麗でどの曲も彼らに合っていて、少しでも多くの人にその世界観を感じてもらえたらと思っています。共感いただけて嬉しいです。まだ先は長いですが最後までよろしくお願いします。 (2020年7月10日 10時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
さやなぎひまり(プロフ) - 私がアプリでちまちま読んでやっと追いついたところなのですが、作者様が文学と青春を歌うあのバンドをいかに大事になさっているのかが良く伝わってきました。たしかにあのフレーズは彼を思い出させますよね、大いに共感しました。 (2020年7月10日 9時) (レス) id: 1c54ce4927 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 雪姫さん» 書き込みありがとうございます。宜候！素敵な歌で好きです。受験生ということで日々大変かと思いますが、遠くから応援しています。変わらず更新し続けていきますので気長に追いかけていただければ幸いです。2人の関係の変化をこれからも楽しんでいってください。 (2020年3月1日 23時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - やっぱり黒曜石可愛いです......!!!!千空と龍水に虐められて拗ねちゃう姿が年相応で微笑ましくなります。続きが気になります......!!!!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - 宜候！端々の芸が細かくてついつい笑ってしまいます。受験生なため、勉強食事睡眠に一日を費やしていて更新を追えない状態ですが今でも楽しみにしています。早く最新話に追いつきたいです。 (2020年3月1日 23時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年2月9日 23時
