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ソッコーで作った簡素なカヌーに乗って、記者が指し示す方へ進んでいく。
帆の固定はニッキーが、オールを大樹が握ることで予想以上にグングン先へ進んでいった。
「アタシらが作ってんのは帆船じゃあないか。そんなもの乗り回してた奴がいるのかい？現代人でさ」
「トレーニング用とかだけだね〜。さすがに普段から帆船なんて人はたぶん世界中探しても…」
ニッキーのもっともな質問に対し、記者がさらりと答えるが、その途中で言葉を詰まらせた。
何かを思い出したように口元に手を添えるそいつは、ギリ聞き取れるか否かくらいの声量で「龍す…」と零す。
「りゅうす？」
「いや！なんでもない！行こ早く！」
その小せえ言葉を聞き取ったコハクが尋ねるも、陸地に着いた途端駆け足で離れていく貝女。
ほーん。心当たりはあるが…ってことか。
最初に言われた場所と相違ねえか確認するため、持ってきた六分儀で位置を割り出す。
「この辺か？」と問えば、地面に埋まった石像を見廻しながら、膝をついた記者が頷いた。
「うん、七海学園。こういう海洋系学校って帆船も一応カリキュラムだったりするし、先生とか起こせば操縦くらいできんじゃないかな〜」
ま、確実さには欠けるが、確かに一理ある。
とりあえず流されたり埋まったりしてる奴らを一ヶ所に集めるか。
俺は持ってきたスコップを大樹、マグマ、ニッキー、コハクに配った。
「おーし石像発掘だ。掘って掘って掘まくれゴリラチーム！」
「おおおお任せろー！！」
「だからゴリラじゃないがな」
コハクの冷めた目線のツッコミはスルーする。
そうは言ってもこの4人だけで相当なパワーだ。
あっという間に石像を何体も発掘していく様子に、貝女が目を輝かせていた。
30分もすればある程度の石像を集め終え、記者による選定が始められた。
「全員起こすのか？」
「いや、復活液が残り少ねえ。ほむらに奇跡の洞窟ブチ壊されたからな」
「じゃあ経験豊富なナイスミドル選ばないとね〜♡前に取材来てて先生なら何人か分かるから…」
一人ひとり確認をしていく様子を後ろから黙って見ていたら、長身の男の前で記者が顔を引きつらせた。
「いた…龍水…！」
記者が見上げる石像は、大胆不敵な笑みを浮かべてやがる。
大きく突き上げた手は天を向いていた。
「りゅうすい？そういえばさっき君が…」
「ダメダメやめた方がいい彼は！」
勢い良く首を横に振って否定するが、名前を思い出す程度には、有力筋ってことだろ。
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sora(プロフ) - さやなぎひまりさん» ご感想ありがとうございます。Dr.STONEから初めて知ったバンドでしたが、とても綺麗でどの曲も彼らに合っていて、少しでも多くの人にその世界観を感じてもらえたらと思っています。共感いただけて嬉しいです。まだ先は長いですが最後までよろしくお願いします。 (2020年7月10日 10時) (
レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
さやなぎひまり(プロフ) - 私がアプリでちまちま読んでやっと追いついたところなのですが、作者様が文学と青春を歌うあのバンドをいかに大事になさっているのかが良く伝わってきました。たしかにあのフレーズは彼を思い出させますよね、大いに共感しました。 (2020年7月10日 9時) (レス) id: 1c54ce4927 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 雪姫さん» 書き込みありがとうございます。宜候！素敵な歌で好きです。受験生ということで日々大変かと思いますが、遠くから応援しています。変わらず更新し続けていきますので気長に追いかけていただければ幸いです。2人の関係の変化をこれからも楽しんでいってください。 (2020年3月1日 23時) (レス) id: 1d20492120 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - やっぱり黒曜石可愛いです......!!!!千空と龍水に虐められて拗ねちゃう姿が年相応で微笑ましくなります。続きが気になります......!!!!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - 宜候！端々の芸が細かくてついつい笑ってしまいます。受験生なため、勉強食事睡眠に一日を費やしていて更新を追えない状態ですが今でも楽しみにしています。早く最新話に追いつきたいです。 (2020年3月1日 23時) (レス) id: 10ca58f2a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年2月9日 23時
