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降谷side

しばらくして、早川が部屋から出てくる。
僕のせいでセクハラをされることになってしまって悪かった。早川が来たらそう言おうと思ったのに彼女を目の前にするとやっぱり素直になれない。

『降谷?待ってたの?』

彼女はそう言って僕の顔を不思議そうにみた。

『何その顔。シワになるよ?』

いつもならここで「うるさいクソ女」と、暴言を吐いているが、今はそんなに気なれなかった。

「…………お前はセクハラをされて嫌じゃないのか」

謝ろうとしてやっとの事で出た言葉がこれだ。
僕は馬鹿なのか?

『嫌だけど、仕方ないじゃない仕事なんだし。それに、潜入捜査をしてればあんなの珍しいことじゃないし』

セクハラを当たり前の事のように彼女は言った。100人もの彼氏がいるなら当然のことだった。けれど、仕事だと分かっていても早川にはそんな目にあって欲しくない。

「………………じゃあ、今すぐ潜入捜査をやめろ」
『………………は?』

何を言っているんだ僕は。
それじゃあ言葉が足りないに決まってる。
お前が好きだからセクハラをされてるところを見たくない。そう言えばいいんだ。

『何を言ってるの、降谷。
潜入捜査で日本を守ってるのも同然なの。あなたならわかるでしょ?』

言葉が足らず、素直になれない自分に嫌気がさしてさらに眉間にシワを寄せる。

「お前には無理だと言っているんだ。
昨日言っていた普通の恋愛ができる時には年齢的にお前を貰ってくれる男なんていない。
もう、ゼロなんてやめろ」

ちがう。そう言いたいんじゃない。僕がお前に普通の恋愛をさせてやるって言いたいだけなんだ。
長年の俺と早川の罵り合う関係のせいでここまで遠回しすぎる言葉選びしか出来なくなっていたことに自分でも驚く。

『あんた、何が言いたいの?
降谷が石原さんに怒られていてそれを私が庇ったのに何その言い方。
私が潜入捜査の出来ない無能な人間だって言いたいの?』

今までこんなに怒る早川を見たことがなかった。完全に僕が悪い。僕が謝らなくてはいけない。そう思っても素直になれない。

「ちがう、そうじゃない」

一丁前に否定の言葉だけははっきりと口にできる。なんて俺は馬鹿なんだ。

『そうじゃなかったら何。
僕はお前と違って警察学校を首席で卒業したエリートだって言いたいんでしょ?』
「そうじゃない!」

『もういい。あんたの顔なんて見たくない』

僕はそう言って立ち去ろうとする彼女の腕を咄嗟に掴んだ。

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なみ - とっても面白いです。更新楽しみに待っています!!続きが楽しみです! (8月8日 10時) (レス) id: 0ffda98372 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO - 面白いです!更新待ってます! (4月14日 21時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:数の子 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年4月3日 9時

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