【オリジナルBL】ヤンキー先輩はイケメン後輩にどうしても勝てない。

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タバコの匂いを辿ると、

そこにはイケメンで有名な1年水澄一颯が、

気だるそうに壁にからだを預けながら

煙を吐いていた。



水「あ」



水澄は俺に気づき少し驚いた顔をした。



鬼「お前、こんなとこで何やってんだ？」

水「見ればわかるでしょ？
タバコ吸ってるんですよ」



水澄はそう言い、また煙を吐く。



水「先輩も一服どうですか？」

鬼「いらねぇ。第一、健康に悪いだろ」



俺がそう言うと水澄はキョトンとした顔をして、

突然笑いだした。



水「アッハハハハハ！！！
先輩それ本気ですか！？
あのヤンキーで『殺風の鬼人』って
恐れられてるあの鬼藤先輩から、
け、健康って………wフハハハハｯｯ」

鬼「別に俺は変な事言ってないだろ！！」



………ていうかコイツ、今俺の名前……何で？



鬼「お前、何で俺の名前知ってんだ？」

水「そりゃー先輩って学校……いや、
町中で有名じゃないですか」



は？俺が町中で有名？

何を言っているんだコイツは。



水「もしかして先輩。
自分の噂知らないんですか？」

鬼「噂？」

水「風のように殺る、まるでその姿は
鬼ようだと恐れられ、目に古傷がある。
その名も『殺風の鬼人』」

鬼「なんだ………それ」

水「さっきの喧嘩見ましたよ。
あの人数を1人で殺っちゃうなんて、
さすが『殺風の鬼人』ですね。
本当に風のようでしたよ」



俺にそんな噂があったのか。

鬼人って、俺はそんなに怖いのか。


ふと、胸に何かが刺さるような感覚が走った。

さっきの傷か、クソッ痛てぇ。



水「それにしても、先輩。
大丈夫ですか？その傷。
すっごい血だらけですけど」

鬼「あぁ、なんともない。よくある事だ」

水「早く保健室言った方がいいですよ」

鬼「今日はもう帰る」



俺がその場を立ち去ろうとすると、

目の前がグラリと歪んだ。


チッ、さっき鉄パイプで頭殴られたからか。


俺がふらつき倒れそうになると、

体がふわっと軽くなった。



水「ダメですよ。そんな傷で、
早く保健室行きましょ」



水澄が片腕で俺の体を支える。



水「立てますか？無理だったら
お姫様抱っこします？」(ﾆﾔﾆﾔ)

鬼「いい！立てる！！」

水「そんな怒らなくてもいいじゃないですか笑」








なんなんだコイツは……

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