とんでもないアホ 3 【ツイステ】【男主】

104話 ページ14

Aside

リドルとの勉強会から数日後の休日。


俺はラギークンと賢者の島にある港の、
『クレーンポート』という所に釣りに来ていた。


俺は暇つぶし、ラギークンは金稼ぎ。





釣り糸を垂らしながら、魚が来るのを待つ。



『サバナクローと、サカナツロー。』



ﾗｷﾞ「しょーもな。」



『何釣ろー。サバマグロー。』



ﾗｷﾞ「懲りないッスね。」




ラッパーでも目指してるんスか？とラギークンが問う。



『それはそれで面白そう。』


ﾗｷﾞ「金になるんならオレも付き合うッスよ。」



シシシッ！と笑うラギークンの釣り糸が揺れる。



ﾗｷﾞ「おっ！来たッスね！」



勢いよく竿を引いて、姿を現したのは秋刀魚。



ﾗｷﾞ「今日の飯にもなるし、金にもなる。釣りっていいッスねぇ。」


『そうだねぇ、穏やかだねぇ。』


海風を浴びながら、のんびりと休日を過ごす。


『こんな穏やかな日は、歌でも歌いたくなるねぇ。』


ﾗｷﾞ「Aくんの歌は酷いって聞きましたけど。」

ﾗｷﾞ「それも、音程が酷いんじゃなくて、替え歌が酷いとか。」


誰だそんなこと言ったやつ。


『歌詞覚えられないから、それっぽく歌ってるだけなんだけどな。』

ﾗｷﾞ「例えば？」


音楽の教科書に載っていた歌を思い出す。



夕焼けの草原といえば、この歌が有名だろうか。









『♪ 吐くーな、まだーだ ♪』







ﾗｷﾞ「…もしかして、ハクナ・マタタのことッスか！？酔っ払い相手に言う台詞みたいにしないで欲しいッス！」


ﾗｷﾞ「てゆーか、ハクナ・マタタっていうのは「心配ないさ」って意味で、吐くな、まだだは心配大ありッスよね！？」

こりゃひでぇわ…。と遠い目をするラギークン。


酷いとはなんだ、フロイドからは好評なんだぞ。


『♪ ハイ・ディドゥル・ディー ♪ 素敵な稼業 ♪』


ﾗｷﾞ「それはちゃんと歌えるんスね…。」


『アズールクンがこの前ご機嫌に歌ってたんだよね。』

ﾗｷﾞ「ああ、確かに。アズールくんが好きそう。」


『♪ シルクハットかぶり ♪ 銀のステッキ粋な姿 ♪』


ﾗｷﾞ「♪ ハイ・ディドゥル・ディー ♪ 役者稼業は ♪」


『♪ スポットライトあびて ♪ 素敵な商売 ♪』


確かこの歌は、子供を舞台の役者へと導いた、
優秀なキツネの案内人が歌ったものだ。

グレートセブンほど名はないが、俺は結構好き。




俺らはこの後も、ご機嫌に歌いながら、釣りを楽しんだ。




俺の釣り糸だけ魚来ないんだけど。

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