夢と現実と、未来への分岐 ページ3
【Aside】
夢だったんじゃないかな。
目が覚めた瞬間、思ったのはそんなこと。
寝不足と、泣いたせいで頭が重い。
でも起きた瞬間にもう佐野くんが恋しい。
それでも起き上がって寝室を出ると
リビングテーブルに置かれた花瓶の花を見て
『ああ、夢じゃない』って実感した。
『サヨさん、ありがとうございました。』
職場に出勤して、
まずはじめに向かったのは自分のデスクよりも先にサヨ先輩のところ。
お礼を言って、ペコって頭を下げる。
サヨ「…すっきりした？」
『はい 』
サヨ「そう。」
「なら、よかった。」って優しく微笑んでまたデスクに向き直った。
今日も目腫れてるはずなのに何も言われなかった。
やっぱりわかるのかな、いつもと違うって。
サヨさんがいてくれてよかった。
しみじみ思いながら
自分のデスクに座ってPCを起動して、
ふと思う。
…佐野くんのくれたお花、
なんて名前だったんだろう。
カタカタっと思いつくワードをいくつか入れて、検索をかける。
《お花 可愛い 小さい 色の種類多い》
だけど、
『…だめだ、わかんないや。』
可愛くて小さいお花なんてたくさんあるし
そもそも色も何種類もあって当然だし。
検索に引っかかるお花は無限にあって
見てるうちに全部同じに見えてくる。
…諦めよ。
ふうってため息ついて、今度こそ仕事をするべく作業画面を開いた。
メールの確認処理始めても
ぼやーっと思い出してしまうのは昨晩のこと。
笑顔を思い出してはきゅんとしたり
キスを思い出しては赤面したり
朝からあたしの心臓は忙しい。
けど、
メールboxに
そんな夢見心地のあたしを
現実に引き戻す一通の社内メール。
【送別会のお知らせ】
…あ。
社内での送別会。
もちろんそこに書かれた主役の名前はあたし。
そしてその内容には
【ーーー31日をもって、寿退社されます。】
気が早いなあ。
まだ結婚するわけじゃないのに。
でも実質、ついていくってことは
そういうことだよね。
夢にまで見た寿退社。
ずっと憧れてた亜嵐くんのお嫁さん。
…だけど
これで、いいのかな。
画面を見つめたままでいると、
バッグの中でスマホが短く振動する音がした。
ラインかな。
スマホを取り出し、
デスクの下でこっそりと開いた。
.
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まぁ(プロフ) - ぴなたまごさん、完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした。私はぴなたまごさんの玲於君が本当に大好きなので、また気持ちと時間に余裕が出来たら新しいお話で玲於君を書いていただけたら嬉しいです！今回もグッとくるお話、ありがとうございました！ (2018年6月15日 16時) (
レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - とてもいい作品でした(T^T*) (2018年6月12日 20時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2018年6月5日 20時
