玲於end�� ページ17
【玲於side】
玲於「お世話になりました。」
仲良かったヤツとかお世話になった人に1人ずつ挨拶して、通い慣れたダンススクールを後にする。
10年くらいだっけ。ここ通ったの。
岩さんとか涙目で熱いこととか言ってきて。
やめてほしいよね。嬉しいけどさ。
こっちまで泣きそうになんじゃん。
そりゃ寂しいけど
しんみりすんのは好きじゃなくて。
うん。
行くか。
短く息を吸い込むと、
振り返らずに歩き出した。
引越しも無事終わったし、
あとは俺があっちに移動するだけ。
急だったから引越し業者との予定合わなくて
先に荷物送っちゃったから
しばらくホテル暮らしだったけど。
それも今日で終わり。
あー荷ほどきめんどくさ。
英語喋れっかな、俺。
一応勉強はしてたけど。
…今頃Aちゃんは
亜嵐くん見送ってんのかな。
『…ーー佐野くんっ！』
一瞬、何が起こったのかわかんなかった。
名前を呼ばれると同時に
後ろから大きな衝撃があって
かぶってたキャップがとさっと地面に落ちる。
背中から伝わってくる体温で
後ろから抱きつかれてたって気付いた。
玲於「………え、」
佐野くんって呼ぶ声にも
腰にまわされてる腕の細さにも覚えがある。
玲於「…Aちゃん？」
抱きつかれたまま、顔だけで振り向く。
そこにはやっぱり、
息切らしながら顔真っ赤にしたAちゃんで。
玲於「なんでここ…。え、亜嵐くんは？」
なにこれ。
なにがどーなってんの。
俺、もしかして夢でも見てる？
『…亜嵐くんは、多分今ごろ空港。』
玲於「や、だから、」
『あたし、上海には行かない。』
玲於「…は？」
状況がさっぱり読めずに黙りこむ。
呼吸を整え終わったAちゃんが
決心したように顔上げた。
『佐野くんじゃなきゃだめだった。』
玲於「…え？」
『あたし、佐野くんじゃなきゃだめだって気付いたの。』
…うそでしょ。
ありえないよ、だって。こんなの。
『亜嵐くんには、一晩中話してわかってもらった。
あたしを支えてくれたのはいつも佐野くんだった。
佐野くんの前では、
いつも本当の自分でいられたの。』
いつの間にか
大きな瞳いっぱいに涙溜めたAちゃんが
俺を見上げて優しく笑った。
『ちゃんと気付いたよ。
あたしも佐野くんがすき。
…いつも、想っててくれてありがとう。』
.
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まぁ(プロフ) - ぴなたまごさん、完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした。私はぴなたまごさんの玲於君が本当に大好きなので、また気持ちと時間に余裕が出来たら新しいお話で玲於君を書いていただけたら嬉しいです！今回もグッとくるお話、ありがとうございました！ (2018年6月15日 16時) (
レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - とてもいい作品でした(T^T*) (2018年6月12日 20時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2018年6月5日 20時
