玲於end�� ページ16
【Aside】
「あれ。そこのお嬢さん。」
声をかけられ、ふと顔を上げる。
管理人室から出てきたおじいさんが
あたしの顔をまじまじ見るなり「ああ、やっぱりそうだ。」
って分厚い眼鏡を持ち上げる。
「佐野くんの友達でしょ？
ちょっと待ってね。えーっと、」
そう言うと、管理人室にまた戻って行く。
なんであたしが佐野くんの友達ってわかったんだろう。
岩田さんも不思議に思ったのか
2人で顔を見合わせてると、
しばらくして何かを片手に管理人さんが出てきた。
「引越しの後これだけ部屋に残っててね。
忘れ物だと思うんだけど。
悪いけど、佐野くんに渡してくれるかい？」
そう言って差し出されたのは写真立て。
あたしが預かっていいのかなって思いながら受け取って
うつ伏せになったままのそれを何気なく裏返した。
｢そこに写ってるの、お嬢さんでしょう？｣
息が、止まるかと思った。
視界はみるみるぼやけて
胸が締め付けられて声にならない。
だって
その写真たてに入ってたのは
北海道旅行で撮った
あたしと佐野くんの2ショット写真。
ねぇ佐野くん。
これって
自意識過剰とか
自惚れなんかじゃないって思っていいかな。
どうして気づかなかったんだろう。
佐野くんはいつでも
いつだってあたしのそばにいてくれたのに。
あたしたちは似た者同士で
佐野くんもあたしと同じ
我慢しがちで自分の意見言わなくて。
わかってたのに
知ってたはずなのに
どうして、気づいてあげられなかったの。
憎まれ口叩きながらも涙を拭いてくれた佐野くん。
夜中に走って家まで来てくれた佐野くん。
悩みも惚気話も、全部聴いてくれた佐野くん。
どんな想いで
今まであたしのそばにいてくれたの。
剛典「Aちゃん。」
優しく子供をあやすように
岩田さんがあたしの顔を覗き込んだ。
剛典「…Aちゃんは、どうしたい？」
.
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まぁ(プロフ) - ぴなたまごさん、完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした。私はぴなたまごさんの玲於君が本当に大好きなので、また気持ちと時間に余裕が出来たら新しいお話で玲於君を書いていただけたら嬉しいです！今回もグッとくるお話、ありがとうございました！ (2018年6月15日 16時) (
レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - とてもいい作品でした(T^T*) (2018年6月12日 20時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2018年6月5日 20時
